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2002年12月12日(木)

優越感

どうしたもんか。
寒さを理由に仕事が出来ない。
寒さを理由に出かけられない。
冬眠できない動物である事が、こんなに嫌だと思うのは冬だけだ(当り前)

さて。
どうやら、お相手はまたもやストレスマックスらしい。
その原因は毎回同じ。毎回毎回、似たようなタイプに威張られてストレスを溜めている。
威張るっつーか、馬鹿に馬鹿にされてるって怒ってるんだろうなぁ。
人に威張る事でしか、自分を上に保てないんだから、ほっとけ。
って私は毎回同じことを言うのだが、それは分かってると返って来る。
分かってるのに、流せないっつーことはだ。それは分かって無いのさ。
流す事なんて出来ないヤツは、全ての事柄が「我慢」になる。
「我慢」してるから、限界が来るんだっつーのにさぁ。

なぜに我慢してるかと言えば、もう直ぐ辞めるから。場の雰囲気を壊したくないから。
そして何より怒ったら「同じレベル」になっちまうから。なんだそうで。
だからさ。我慢してる時点で、お前は既に同じレベルだ・・・とは言えないけれど。
それよりその前にだ。レベルが違うと思ってる事が、すでに間違いだと私は思うのですがねぇ。

馬鹿に馬鹿にされて怒ってる本人が、馬鹿を馬鹿だと馬鹿にしてる。
まるで早口言葉だ。

レベルが違うってことは、優劣をつけてるわけで。
自分が優ってるから我慢してるってことは、優越感で自分を慰めている虚しい行為に私には見えるのだが。
それこそ、その優劣のレベルが低い。
自分の方が仕事が出来るとか、頭がいいとか、年上だとか、勤続年数が長いとか。
話を聞いている限り、そんなんが理由としか思えない威張りあいなんだよねぇ。
やってる本人は、そんな意識がないのだろうが。
まるでこれは、子供の兄弟喧嘩で「お兄ちゃんでしょ。我慢しなさい。」と言われて不満を抱えるお兄ちゃんと、同じ状態ではないかね?

はーーーっくだらねーっっっ。
困った事に、これは男社会の中ではよく聞く話ではあるんだが。
女の私には分からん世界だ。

と、実は私も密かな優越感を持つことがあるのだ。
それは、あまりにも下らなくて人に言える事では無いので、こっそり優越感を楽しんでいる。

私は、物心着いた頃から、ずっと同じ市内に住んでいる。
途中、市外に引越しもしたが、結局戻ってくるほどに、この土地贔屓な人間だ。
まぁ、ここに住んでる人間は、多かれ少なかれ、そんなタイプが多いのだが。
小さい頃から住んでいたので、少しずつ町が開発されていくのを見ている訳だ。

子供が遊ぶには困らない、ザリガニ釣りの沼や、山や、原っぱがいっぱいあった。
それが今じゃ、埋め立てられて、上にポンポン家やらが建っている。
沼地だとされる土地に、新しい家が建ってるのを見ると、
「その下、沼だし。ザリガニの化石があるし。」
などと心の中で思う。

原っぱだった土地に、食べ物の工場が建っているのを見ると、
「そこ、ゴミ捨て場だったし。そこで誰かが捨てたお饅頭拾ったことあるし。」
などと心の中で思う。

単なる崖の山の上だったところに、家が建っているのを見ると、
「そこ、台風で木が雪崩れてきたことある崖だし。すんげぇ危険だし。」
などと心の中で思う。
ついでに、その山、放火で燃えたことがあって、親が通報してたし。

昔の自分の家だったところに建っているマンションを見ると、
「飼ってたペット、沢山埋めたし。汲み取り便所の家が建ってたし。」
などと心の中で思う。
ついでに、フタしてるけど、この下には川があって、台風のたんびに氾濫してドジョウが打ち上げられてきたし。
などと、さまざまな過去の想い出が駆け巡る。

そして、そんな時の私は密かに微笑み、あきらかに「知ってるんだぞ」という「優越感」に浸っているのだ。

そんな地元を知り尽くした私が、もう10年以上前になるがとある会社に勤めていた時。
駅前から、何を思ったか自社ビルを建てたということで、本社が引越しをした。
それは、まぎれもなく[元沼地]だったところな訳で。
案の定というか、新品の建物なのに何やら泥臭さが漂うオフィスだった。
運良く、私は本社勤務ではなかったのだが、たまに行くとその匂いに気分が悪くなったものだ。
そして、私が辞めて数年後。
その会社は、沈下した。
いや、倒産ではないが、倒産に近い。大手に吸収合併されちまったらしい。

まぁ、バブル後のたんなる偶然だとは思うけど。

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