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2002年10月30日(水)
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ラーメン屋 |
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歯医者に三ヶ月ぶりぐらいに行って来まして。 その歯医者への途中にコンビニが合ったハズなのに、行きには見当たらなかったのです。 帰りに、目を凝らしつつ歩いていると、『空』になった元コンビニがありました。 と、仕方ないので車を走らせ、さらに別所のコンビニへ。 そこもまたもや、『空』になっており。 この地帯のコンビニ倒産説がまことしやかに、私の中でだけ流れております。
さて。歯医者なんですがね。口をあけたまんま、30分以上待ちました。 先生がやっと来たのは席について45分経過したころ。 と、先生がおもむろに歯科助手の方に、「なにやってたの?」と聞きます。 その歯科助手の方。坂下ちりちゃんに目が似ており(マスクしてたので)。 「右奥の歯茎がはれていたので、そこの処置を・・・」と答えたチリちゃん助手に向って、何やら先生は不満げにまだ文句らしきことを囁いておりました。
私にしてみれば、彼女は悪くないのよ?私は処置してもらって、助かったのよ?待たせすぎな先生が悪いのよ?と訴えたい気分でした。
こういうことって、案外良くありますねぃ。主に、飲食店。 その中でも、厨房が丸見えの特にラーメン屋。 私の中では、客に聞こえる場所で、小言は言う店は「必ず接客が為ってない」と思っています。
私は、そもそも、ラーメン屋が苦手です。小さい時から、落ち着かなくて好きでは無いのです。 カウンターが、まず落ち着きません。しかも「食券制」のラーメン屋は最も苦手です。 私の偏見かもしれませんがね。 食券制で、注文すら取らないという態度自体が、接客業としてなんだかねぇ・・と思うのです。 そして、大概そういう店は、店主からして態度が悪いし、厨房の文句がまる聞こえだし。 まるで、こっちが「食べさせてもらってる」みたいな威圧感を感じてしまうのです。
そんなラーメン屋に行った時のことです。 ラーメン二種類とビール。それから半ライスの食券を購入しました。 と、間もなく 「セットの餃子です」 と、店員の女の子が言い切り口調で、お相手の方へ餃子を置いて行きました。 最初に言っておきますが。私は初めてそのラーメン屋に行きました。 そして、店員の女の子は、「セットの方は?」とも聞かずに置いていきました。 私は「ラーメンと半ライス」=「セット」なのだと思い込みました。
食べ初めて、しばらくして、カウンター越しの厨房で 「セットの餃子が来てないって」 騒動が始まりました。 店員の女の子が店主に怒られて、どこへ置いたかを聞かれています。 「○○と○○のところへ・・・」と店員の子が答えるのが聞こえた瞬間に、 それが私たちの席であることに、気付きました。
と、そこでラーメンから顔を上げ、自分達が勘違いして食べちゃったのか?と尋ね様とした瞬間。
「餃子、頼みました?」
と目の前にやってきた店主らしき人物に聞かれました。
「いや・・・あ、でも、お金払うよ」
と、もう既に3つある餃子のうち1つを食べてしまったお相手は言ったのです。 要は、店員が間違えたのだけれど、私たちも勘違いしたので御代は払うからと。 もう、食べてしまっているので、御代は払うからと。
しかし、次の瞬間、しゅっとカウンターに店主の手が伸び、 「いや、結構です」と言いつつ、 食べかけている餃子の皿を下げ、ゴミ箱に捨ててしまいました。
私が思うに、あきらかにその態度は 「頼んでも居ないもの食うんじゃねーよっ」 とでも言いた気で、謝罪の言葉も無いし、店員のたかが餃子3つの配膳ミスに対する苛立ちが篭ってました。
さぁ。どうしましょ? 勘違いして食べてしまった餃子一つだけでも、ラッキーと思うべきですか? 怒ってはいけませんか?その店主の態度に怒ってもいいですか? 私は、嫌な気分でしたが、とりあえず黙って食べて、早く帰ろうと思いました。 そんな店には、二度と行かなければいいし。 でも、無理でした。お相手がキレてしまったのです。
店主だと思われる、そのオヤジをお相手は呼びました。 ヤツの主張は、
「食ってる途中の物を下げるって、おかしいだろ?」 「銭払うって言っただろ?」
だったのですが、どうもオヤジに言葉が通じません。
「だって、注文してないんでしょ?だから、下げたんです。何がおかしいんですか?」
これに、とうとうヤツはキレ、怒鳴り始めてしまいました。 ここまで、私は店主から、謝罪の言葉を聞いてません。
「注文間違ったのは、そっちだろうがっ!」
とヤツが怒鳴ると、オーダーミスをした店員の女の子が
「ごめんない。私が間違えちゃったから」
と泣き声で謝り始めてしまい、私は彼女に「気にしないでね」と言いつつ、 ヤツを「もういいからっ」と抑えようとしました。 しかし、そこで、店主は追い討ちを掛けるように言いました。
「だから、謝ってるじゃないですか?それでいいでしょ? お客さんこそ、何をそんなにムキになってるんです?」
ははははっは。怒ってるこっちが頭がおかしいみたいっす。 確かに、怒鳴るほど怒るのはどうかと思います。思いますがね。 なんで怒ってるかも分からない、客の気持ちも理解しない店主だから、こんなミスが発生するんでは? そう思い、仕方なく私は店主に静かな声で言いました。
「この店、初めてなんですよ。だから、間違って食べたから御代をお支払いしますって言ったんですけどね? なのに、食べてる途中の物を下げるのって、ものすごく気分が悪いものなんですよ?」
私が落ち着いて喋るからでしょうか。 店主は大人しく聞いてくれてましたが、果たして彼に、その真意が伝わったかは、私には分かりません。 結局、私が説明しているのをヤツに遮られ、店を後にしました。
勿論、店中の客は、私たちを見ていましたし。 外には待ち人も居たくらい、繁盛している店でした。 そう、いわゆる「行列のできるラーメン屋」だったのです。
そういう店って、常連さんも多いのでしょうね。 やはり、初めて来たらしき隣に座った夫婦は、しばし座ったまま水と注文を待ってました。 店の人間にとってみたら、「水はセルフサービス」「注文は食券」が当たり前で。 店がやることは、ラーメンを作って配って片付けるだけで。 美味いラーメンさえ作っていれば、客は店の外に溢れるぐらいに来るし。
きっと、職人さんなんでしょうね。そういう職人さんって、接客に向かない人が多いのは不思議じゃないのです。 だからこそ。 厨房の中は、見えない。聞こえないような作りにしておいて欲しいと思うんです。 無愛想な料理人の顔や、怒鳴り声を聞きながら食べる食事は、どんなに美味しいハズのものでも、不味くなります。
私も、母上の店でオーダーミスをしたことがあります。 でも、下げるようなことはしませんでした。 大概は、こっちのミスでお客さんが食べていたら、黙って御代も頂きません。 言うにしても、 「すみません。間違えちゃったんで、良かったら食べてください」 と言います。 例え、手付かずでも、その数十秒後であっても。 一度テーブルに置き、その場を自分が立ち去ってしまった場合は、そのお客さんが嫌がらない限り、下げたりはしません。
このラーメン屋の2週間ほど前にも、ある中華屋で頼んだものが永遠に届かない事がありました。 私が頼んだラーメンが一番に来て、餃子と焼きそばが届きません。 パートらしきオバちゃんに、「まだ?」と尋ねると 他のテーブルに出して5分以上経過した焼きそばを 「すみません。間違えちゃって」と持って来たのです。
オバちゃんは、「まだ手をつけてませんから」と言いますが、お相手は断りました。 更に、最初に来るべき餃子にいたっては、私が食べ終えた時にきて、やはり断りました。 この店はカウンターでは無いものの、厨房が見えるもので 「要らないっていうんですよぉ・・・」 というオバちゃんの会話が聞こえて、なんだか嫌な気分にもなりましたが。
でも、最後にレジで会計をする際に、店主の奥さんもオバちゃんも、丁寧に謝ってくれ 「また、懲りずに来て下さいね」 とまで、仰ってくれました。 だから、この店には、懲りずにまた行けるかもしれないって思えて、嫌な気分を引きずらずに済みました。
でも、あのラーメン屋の件で、私はその夜眠れませんでした。 なにが、なんだか分からないけど、理不尽な不愉快さでいつまでたっても。 店主に怒ってるのか、キレたヤツにムカついてるのか、客に注目された恥ずかしさか。 今でも、気分が悪いままです。 もう二度と行きません。っつーか、行けません。 向こうも、来て欲しくないでしょうけどね(笑)
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