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2002年10月22日(火)
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ムシムシ大行進 〜我家ではしばし眠れない〜 |
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私の知人の間では、我家は「虫屋敷」と呼ばれている。 なんでも無い、ふとした時に「やぁやぁ。最近、虫達は元気か?」と 家族の近況を聞くかの如く、普通に尋ねられるのである。 全く持って、不愉快極まりない。
しかし、この問い掛けに腹を立てる事ができない現状がここにある。 我家に常駐しておられるのは、蜘蛛君たちだ。 彼らは、2種類ほどいて、ピョンピョン飛んで来やがる白黒のヤツと 地道にコショコショ歩く茶色いヤツと二種類だと思う。 彼らは、余り大きくないので、同居を許している。
蜘蛛君たちは、なかなかお茶目で、時々仕事に煮詰まった私を癒してくれる。 彼らは、動くものに反応する習性である事は、皆さんも御存知だろう。 私の仕事は一日中PCの前だ。彼らは気が向くと、ディスプレイや電話機に乗っかったりして、私を誘発する。 時に、ディスプレイの明かりに誘われてか、画面の文字に被さったりして遊んだりもする。 そういう時は、マウスをせわしなく動かす。 すると、画面のカーソルの動きに合わせ、彼らは楽しく右往左往してくれる。
デカイ蜘蛛と格闘したこともあるが、それは別の機会とすることにして。 この小さな蜘蛛君達が居るおかげで、我家は滅多にゴキちゃんを見ないで済んでいると勝手に解釈している。 ゴキちゃんの小さなうちは、多分、彼らの食料になっている事だろう。
時々、不思議な現象として、ダンゴ虫君がトイレ付近に出没する。 入ってくる隙間を確認できない為、本当にある日突然降って沸いたかと思うのだ。 彼も(大抵一匹でお出まし)害は無いし。 摘んで外に出すのは何てこと無いのだが、とりあえず勝手に出てってくれるのを待つ事にしている。
虫では無いが、我家には「やもり君」も訪れる。ここ1-2年は見ていないが。 彼らとの話は、なかなか微笑ましいのだが、それも別の機会にしておく。
そして、本日の事。昨日の寒さが一転して心地よい温度だからか? 普段、見かける蜘蛛君の数が増えている気がした。 私の周囲をウロ付く彼らを、私は日々無意識の内に覚えている。 あきらかに、大きさが今までの彼らとは違うものが存在し始めている。 「なんか、嫌な感じだなぁ・・・」と朝から呟きつつ仕事をしていた昼過ぎのこと。
私の仕事場は、二階の踊り場、2畳ほどのスペースである。 不動産屋の間取りでは「2DK」と記されており、これは詐欺じゃん?と思うような狭いスペースだ。 そこを通り抜けると、ドアとアコーディオンカーテンで仕切られた、6畳ほどの寝室となる。 日中は、このドアとカーテンは解放しておく。 と、ディスプレイに向う私の目線が、何故か斜め前方の開いたドアの蝶番の部分に注がれた。
よく、『虫の知らせ』と言うけれど、まさに『虫が知らせた』のだと思う。
そこには部屋に侵入する
ドデカいムカデ様っ!
体調、20cm以上。幅1cmはあるムカデ様のお成〜り〜ぃっ 貴方な〜ら どぉ〜するぅ〜♪貴方な〜ら どぉ〜するぅ〜♪ いやいやいやいや。 何を考えたかと申せば、ビニール袋を手に被せ、その手にティッシュをまとめて掴み、その上でムカデ様を取り去ろうかと一瞬思った。 しかし、それでは刺される危険性が高い。
よって、次に考えたのが、ガムテープっ! 壁を歩くムカデ様の背中を、上手くテープに貼っつけて処理し様と試みた。 失敗した。ムカデ様の背中は、なにやらグロスが塗ってあるかのようで、粘着力の敗北だ。 それでも、健気に頑張った。 一度はタンスの横の隙間に入ろうというムカデ様を、手を入れて懸命に脅して再びガムテープ攻撃。
しかし、これも大失敗だ。 何を思ったのか、ムカデ様は私の方へ向かってきたっ! これ以上、怖い事はあるまい。 黄色い触覚をウニウニさせて、果敢に私を物凄い素早さで追っかけてくるのである。 思わず、しゃがみ込んだままの姿勢で、私は後ずさりを余儀なくされた。
ムカデ競争という競技を、中学の時にクラス対抗でやらされた。 その時は、足が多くなる事で逆に動きが鈍くなり、そのスピードは遅くなった記憶がある。 が、ムカデ様は御自分の足である。 自由自在に足が30本ぐらいあるのだから、余計に早いという事を目の当たりにし、実感した。
そんなバカな事を感心してる場合じゃ無いくせに、感心していると、ふいにムカデ様は方向を変えられた。 ムカデ様が向う方向には、タンス。タンスに登る気なのね?と思いきや。 タンスの下のわずかな隙間に入っちゃった
勿論、そのお身体は、今まで見た中で最大級に長いため、一気に入っていく訳では無く。 勇気さえあれば、その後方に残った尻尾さんを踏んづけて、引き止める事も出来たかもしれない。 でも、私の足は、スリッパを履いていなかった。 そんな事をしたら、きっと、お酢を毎日飲んでるかのような、あのしなやかで柔らかい身体をグニンとさせて、その強靭な顎でパクリとされたであろう。
ムカデ様の身体がタンスの中に消えるまで、1秒あったかどうかだろう。 消えると同時に、何故か私はタンスの反対側を見た。 出てくるにしても、そんなに早くは出てこないだろうに。今思えばだ。 そして、グッドアイデアが浮かんだ。 「そうだっ!昨日の小型強力掃除機があるではないかっ!」
早速、隙間ノズルを装備し、電源を入れ、隙間に向ってギュィ〜〜〜〜ンと・・・ いくら強力な吸引力とは言っても、1mmぐらいの隙間に入ったムカデ様を引き寄せられる訳もなく。
どこに行ったの?ムカデ様?しかも、私は急ぎの仕事が入っているのよ。 貴方を探すために、タンスもベッドも家具も全て退かしている暇は無いのよ。 ってことで、仕事を仕方なく始めた。 しかしだ。居ないと思っていたらなんでもないが、居ると知った瞬間から、人というのは全身の神経が過敏になるものだ。 とにかく、手に力が入らないし、震えまでくる。 椅子に座っていても、急に不安になり、足を床につけられず体育座り。 さらには、周りの壁が気になり、急に後ろを振り向いたりと忙しい。
と、そこで目に止まったのが「キンチョ〜ル」である。 何故に、ムカデ様を見た瞬間に、殺虫剤の存在を思いつかなかったのか・・・ 悲しい自分を呪いつつ、無駄な抵抗としてノズルを失ったその古いキンチョ〜ルを、タンスの隙間目掛けて吹き付けておいた。
その後も仕事をするが、集中力に欠ける。 やっと仕事が一段落ついて、納品を済ませ、ムカデ情報をネットにて調べた。
ふむふむ。一般的なヤツは10cmぐらいか・・・違うな。コイツじゃないし。 大体、これって、殺虫剤の宣伝HPじゃんかよ。 じゃぁ・・・あ。これだっ!体長20cm以上・・・・色・ツヤ・形・・・
大ムカデだとぉぉっ!?
噛むと強烈に痛い。痛みはなかなか引かない。寝ている人間を噛んで被害が出ている。 動きが速く、獰猛な為、飼うには勇気がいる。30cmのゲージで・・・って、
ムカデなんて飼うなよっ!
ちくしょーーーーーっっっ(八つ当たり)
結局、ムカデ用殺虫剤と、防止の為にはバルサンとかをたく事だって。 PCがあるから、バルサン嫌なんだよね。。。準備が大変だからさぁ。。。 でも、背に腹は変えられぬ。 そして、もう、日が暮れ始めた。ムカデ様は夜行性らしい。 よって、私は、ムカデ様を退治できる昼間の空きが出来るまで、我家で眠れないのである。
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