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2002年10月11日(金)

電車の苦痛

昨夜と今朝とにかけて、人様の日記を徘徊中に
99999番と44444番を踏んでしまうという、不運に見舞われ
なにやら、今後の自分の人生の雲行きのようだと一人嘆いておりますが。

なんつって。
逆に考えれば、その数値をその日記で踏めるのは、この世に一人な訳で。
しかも、ラッキー「9」やらラッキー「4」やらという言葉さえあれば
なんとも幸運な話。
なにも、「7」だけがこの世の幸運を独り占めしなくてもいいんじゃないか?と悴む手で日記を打ちつつ思うわけであります。

さて。
一昨日昨日と打ち合わせに出向いた時に話を書こうと思ったのですが、元々文章を短くというのが苦手なもので。
とりあえず、私を社会人として奮い立たせた『匂い』ですわ。

社会人は、学生の頃とは違い、かなり厳しいものですな。
いやいや。そんな事は、多分、高校生から私は知っており、覚悟の上でした。
だから、高卒で社会人になり、職場での嫌な思いは「まぁ、そんなもんだ」と心構えが出来ていたのでいいのです。

しかし、思わぬところに社会人の厳しさは転がっていた訳で。
それは、大抵の方が経験なさる電車通勤という厳しさであって。

満員電車で、高いカバンの角という角が全て無くなるほどに潰され様が、
女なのに痴漢に間違われ、疑いの眼を同姓である女性に何度も向けられようが、
ドア付近に立った罰として、お尻をコチョコチョと指先で触る変態に会おうが、
下りる瞬間に、お尻を思い切り鷲掴みにされ犯人が見付からなくて悔しかろうが、
シモヤケ気味の足を人様に踏まれ、声にならない悲鳴を上げ様が、
立ったまま眠るオヤジに寄りかかられ、その体重を右手一本つり革で支え様が、
背中にしょったリュックを思いっきりぶつけられ、倒れそうになろうが、
傘やら紙袋やらのトンガリで、ストッキングがデンセンしようが、
卸し立ての靴を、下りる瞬間に足を引っ掛けてきた慌てん坊オヤジに、見事に引きちぎられ二度と履けなくなろうが、
前の女性のキューティクルを無くしたパーマヘアーで、顔が痒くなり湿疹が出ようが、
ポニーテールをした女性が振り向きザマに、その馬の尻尾でビンタを食らわせようが、
ちょっとばかしヒールが高いために、見たくも無い汗ばんだオヤジの毛根が絶滅した地肌を見下ろす事になろうが、
梅雨時のそのしっとりとした肌を、嫌だ嫌だと避けても避けてもくっつけてこられ様が、

そんなことは、もう、我慢の内には入らないくらい、私は立派な社会人になったのです。
それでも、これだけは勘弁と思う、社会人として一番厳しかったのは

匂い(どっちかっていうと臭い)

であって、こればかりは社会人を止めたいと本気で思う訳で。
社会人を止めると生活出来ないので、せめて電車通勤を止めたいと思い、独立への道をひた進んで来た訳で。
たった、そんだけが理由か?と問われれば、多分、自宅勤務の理由の50%以上を占める位に、匂いに関してだけは敗北感な訳で。
他の理由としては、都内へ出るのに時間が掛かるクセに地元を離れたくないとか、
毎月恒例の女性特有の症状が、腹痛というより精神的にキツイという思いとか、
会社員として仕事をするよりも、もしや自分だけの方が儲かるじゃんか?という思いとかあった訳で。

でも、そんなのは、多分、考えてみたらいざとなったら妥協もできるし、我慢も頑張りもきくことなので、
やっぱり、電車通勤を止めたかった一番の理由は匂いでしか無かったんじゃないかと思う訳なのです。

(御注意:ここから先は、想像力が豊かな方、食事前中後の方は避けた方が宜しいかと。)

タバコを吸う人は、嗅覚が衰えると聞いたハズなのに、何故か私の嗅覚は人様より発達しているようで。
大体、鼻をかむっていう行為自体、殆ど必要が無いぐらいに鼻の具合が宜しい人間であり。

海外旅行やら、デパートやらなんでもいいが、化粧品売り場や香水売り場で、その匂いによって、くしゃみが止まらなくなるぐらいで。
自分に付けたムースの匂いで、酔うし、バス・タクシーの匂いにも勿論酔うし。
時には、歯磨きをしていて流しに下向き加減になった途端、別に臭わないかもしれないが、下水やらの匂いに敏感に反応し、思わず「うぇぇ」となるぐらいな訳で。

この流しでの反応には、嗅覚の発達以上に、想像力が影響しているからいけないのであって。
それが、人間が集まる電車の中で、どこからともなく漂ってくる「匂い」であったら。
それが、あきらかに、人間の体内から発せられていると思われる「匂い」であったら。
これは、もう、想像したくもなく、だけど既に知識として頭にあるから抑えるのは無理なぐらいに気分が悪くなる訳で。

電車で漂ってくる汗ばんだ臭いとかについては、想像しても「汗」であるから多少の気分の悪さは伴うものの、平気なのだが、
あきらかに口から出てる匂いだけは、勘弁なのです。

ああ、そうそう。入歯なされてる方は、いいのです。
いくらポリ○ントを使用していても、それは難しく誰もが歳を取るのであって、了解済みなのです。
食べたもの、それが納豆とかニンニクとか。そういう食物もいいのです。私も好物ですから。
タクアンを電車内に持って乗ってこられても、それは、たくあんだからいいのです。

それ以外の方です。胃が悪いのかもしれませんね。
現にコーヒー、タバコ、酒量が多い方と会話した時に遭遇する事が大半なので。
これがまた、不思議なことに、ふいに嗅いでしまったその匂い(以下「それ」と称します)。
これが年齢を重ねれば重ねるほどに、弱酸性になっていくという・・・

いやいや。
私が我慢なら無いのは、他人しか居ないという電車の中で、誰とも会話をしていないのに、「それ」を発する事なのです。
「それ」は、鼻からは出ないようです。あくまでも、口から発するものであって。

本来、電車の中で口を開けていること自体、不自然じゃありませんか?
たまに、大口開けて眠っている人を見ると、「虫が入るぞ」と真剣に心配することがあるのですがね。
余談ですが、前に、その頃、少々気の合った男性と一緒の帰り道。
そいつが眼の前で顔を上に向け、大口を開けて眠っている様を見て
「こいつ、もしかして頭良いフリしてるけど、アホかもしんない」
と真剣に、今後の付き合いを考え直そうと思ったことがありました。

電車で口を一人きりなのに開けているというのは、別に恥ずかしいけれど罪では無いのです。
眠ってるのは、お疲れで。それは、仕方無いでしょう。振動が心地良いのでしょう。
多少、寄りかかってこようが、別に仕方ないのです。お疲れなのですから。
だども、私が思わずハンカチを取り出すほどに、「それ」を発してた日にゃ

起きやがれっ!コノヤローッ!!!

と思ってしまうのです。
だから、「それ」の元が隣に居る場合は、わざと体勢を変えるフリしてぶつかり起こします。
すると、あら不思議。たちまちの内に、「それ」が消えるのです。
やっぱり、コイツの口が原因かっ!と、確信を持つ訳です。

眠っていないにも関わらず、「それ」を発する方もいます。
風邪をひかれているとか、慢性鼻炎だとか、色々事情がおありでしょう。出来る事なら考慮したいです。
でも・・・・でも・・・・・

鼻呼吸しやがれっ!コノヤローッ!!!

とか思ってしまうのです。
ここまでは、私も多少の悪態を心で呟きながらも、ジっと我慢の子で居ます。
しかしながら、最も罪深いと思われるのは、「それ」が他の匂いと混じってきた時な訳で。
最初は、スースー系の匂いに誤魔化され、油断してしまうのです。
が、その内、別の香りが混じっている事に気付き、相手を探し出します。
そして、素知らぬ顔で、「それ」を撒き散らしているにも関わらず平然としている人を見ると

口開けてガム食ってんじゃねー!バカヤローッ!!!

と、相手を睨みつけてしまうのです。
こればかりは、意識すれば、「それ」の元を断ち切れる行為なので許せません。
こういう人は、きっと、食事中も私が大嫌いな音を立てる人間に違いなく。
子供の頃に「口を閉じて噛みなさい」と厳しく躾られなかった証拠と思われます。

運がいいのか悪いのか。
私は、どうしても、どんなに空いている電車でも、そういう方が必ず側に居ます。
世の中で、どれだけの方が胃を悪くされているのか、それとも欧米並みの食事の変化で大半の方がそうなったのか、このご時世で、神経性で胃をやられている方が増えたのかは分かりませんが。
多すぎます。私の神経が持ちません。口を閉じて電車には乗ってください。

そして、昨日、座れる電車にて何故か他にも空いているのに、私とおじさんの間の狭い場所に座った、背の高いガタイの良いおじ様。
確かに、貴方は気品あふれる方でした。
でも、私にその荷物やらがぶつかっている事には気付かれないのと同じように
眠りに入られたその口が、僅かに3mmほど開いており、
そこから流れ出る「それ」に、私が隣で本を読む事が出来ない程に苦しんでいたことは、お気づきにならなかったのでしょうね。

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