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2002年09月11日(水)

背中合わせ

ああ、やっぱりね。
150MGを越えるファイルは、案の定開かず。
ダウンロードし直すも、途中で回線が切れる事によって何度も落としなおすハメに。
予測通りだ(泣)
そんでもって、今日来るハズの仕事が、今だに上がって来ないのも、予測通りだ。

ついでに、天体観測。大勢の人が予測してたでしょうな。
誰か一人が消える設定だろうなって。
そして、最後は、それぞれの道に旅立つと。ふむ。

生と死は背中合わせってか?死を知るから、生を大切に思えるってか?

いや。やさぐれている訳では無い。ちと言ってみたかっただけ。
ってことで、こり。



本来、膝を曲げていくのでしょうが、なんせ足が短いもんで。
身体だけグルンっって感じになりました。ちと、ジっと見たら不気味な動きかも。

最近のドラマを観てて、多分、色んな人が同じ事を思うと思うけど、
人が死ぬ設定って多い気がするわ。
人の死って、そんなにドラマになるのかぃ?と、ちと思ったりなんかして。

いやいや。前は、そんなドラマを観て、目をうるうる。時には貰い泣きしてたハズ。
しかしだ。
実際にドラマのようにならなかった父上を見送ってからというもの、
前は感動シーンとして捉えてたテレビの画面に向って
「これは、ドラマだな。現実には有り得ない。」
などと、当然のことを頭でぼやき、冷めた目で見るようになってしまった。

これは、まだ良い方で。
一時は拒否反応が酷く、テレビを観る事を避けねばならなかった。
まず。ドラマは避ける。そういう設定が多すぎるから。
バラエティーでもニュースでも「死」という言葉が出てくる事は結構ある。
それを聞くのさえ嫌だった時がある。

無意識のうちの拒否反応だった。
そう、今思えば・・・だから、今の私は少しは楽になってきたのだろうと思う。
私は、鈍感すぎるので、自分がどんな状態かに気付くのが毎度遅れるらしい。

遅れるが為に、私は自分の状態を人に伝えるタイミングを逃す。
他の人は、自分がどういう感情でどういう状態かっていうのを、すぐ分かるらしい。
悲しいとか、苦しいとか、辛いとか、悔やんでるとか。
分かり易くて羨ましい限りだ。
私は、自分の感情がどれに当て嵌まるのか、今もって尚、父上のことに関しては言葉に出来ぬ。

私は、父上が亡くなったことによって、何かを学ぶという境地に至る事は出来ていない。
ドラマのようにはなれない。

父上が亡くなって、病室を出たその直後から、あたしの脳裏で繰り返されているのは

「情けは人の為ならず」

そして、昔、今の社長が何かの時に言った言葉。

「人は、どうせ最期は独りだ」

この二つの言葉を繰返し、頭で反芻している状態だ。
なんだか、正反対。背中合わせな言葉だな、なんて思ったりして。

社長の「最期は・・」の言葉に対しては、ずっと
「寂しい考えだな」
と反発していたけれど、事実そうなんだ・・・と今はもう、納得できる。
何故そう思ったのか?聞いてはいないが、社長は父親を子供の時に亡くしている。
きっと、多分。
その時に、子供の彼が子供であるのに受け止めざるを得なかった事なのだろうと思う。

「情けは人の為ならず」
情けを人にかけておけば、巡り巡って自分によい報いが来るということ。

父上が亡くなってから、何度も何度も心の中で問い掛けてきている言葉。
お父さんが掛け続けてきた情は、ちゃんと戻ってきた?
それを、何度も何度も聞きつづけている。
人生、プラマイゼロ。最期に帳尻が合ったと思う?
そんな事を、ずっと答えるはずもない父上に聞きつづけている。

なんでそんな事を、悲しむよりも前に考え出していたのかは分からない。
自分のことだけど、よく分からない。
ただ、無理矢理解釈すれば、父上は独りだったなぁ・・・と思ったからだと思う。
周りに、沢山の家族や兄弟親類が居たのに、だけど独りだったなぁと。
社長が言ったように、やっぱり、最期は独りなんだなぁと。

告別式にも御通夜にも。
急な知らせを聞いたであろうと分かる、作業着の人まで、沢山の人が来てくれた。
それらの人々に頭を下げながら、ずっと、
「お父さんの掛けた情けは返ってきた?」
と聞きつづけていた。

沢山の人が泣いてくれて、悲しんでくれて。
それを目の前で見ているにも関わらず、私はそれを情けの結果と捉えなかった。
捉えなかったというより、
沢山の人が悲しんでくれる事で、父上の情けの数々が報われている事になるとは、到底思えない。

私は、人に対して甘い甘いと、我姉妹にも、友人にも指摘される。
そんなに情けを掛けたところで、相手は何も分かっちゃいないと。
情を仇で返されている状態だと、指摘される。
飼い犬に、腕を噛まれた状態だと、我姉妹が笑って言う。
そこが、あるひの良いところだけれど、それが欠点でもあると友人が言う。
毎度毎度、人との関わりで落ちる穴は同じ。

そう。自分がそうだから、人に対してもそう思う。
私の長所は、最大の欠点。短所でもある。
長所と短所は背中合わせ。それで、人はバランスが取れているのだと思っている。

だから、人に対しても、嫌な面が見え、自分が不快を感じても、
「これは、長所の裏返しだし」
と受け止めつづけ、人に言わせれば相手を甘やかす結果になるらしい。
私の味方をする友人は、「付け込まれる」のだと言う。
だから、私という人間の「そこ」を分かって、付け込まない相手を探さねばと忠告してくれる。

いやいや。
誰も、付け込んで来てる訳じゃ無いと思うよ?

そういう私の考え自体が、甘いとまた、一喝される。
けどさ。バカな私には、どこで線を引いたら良いのか分からないのさ。
どこまでを流して、どこからを怒って良いのやら。トホホホホなのさ。

父上は、「お前は情があるからな」と私にいつも言っていた。
上手く、煽てられていたのかもしれない。
だから、私がこういう性格になったのだと、父上のせいにしてみる。

「お前は気前が良いからな」といつも笑って言ってた。
何かと、人の世話を焼いてしまう私を、いつも笑ってからかっていた。

私が怒っていると、私から歩み寄ってやれと言っていた。
謝って仲直りしろということは言わなかった。
相手の方が悪いのを承知の上で、決して折れてこない相手に対し、
あいつは腹の中がグルグル渦巻いて大変なんだから、可愛そうなんだからと。
孤立させないように、近寄ってやれと言われてた。

そんな父上は、気性の激しさから、知り合っては離れ。
時には、多分、父上の感情から言えば裏切られ。
時には、多分、父上の性格から言えば恨んだり憎んだ相手も居るだろう。

でも。
相手が離れたそのずっと後。
時間がどんなに経過しても、父上がその人たちを忘れない事を知っている。
「あいつ、どうしてるんだろうか?」
いつだって、気に掛けていたのを知っている。

父上の方が悪かった事も多いだろう。だから、仕方ないと思うのだろう。
だけど、ずっと、父上は相手をずーーーーーーっと。気に掛けていた。

私は、それを幼い頃から見ていた。
父上が、心のどこかで悔やみ、後悔してたところで、それは相手には伝わらない。
父上が、気に掛け、その場では怒りで離れた相手でも、既に許して心配していても、それは相手には伝わらない。

伝わらない。届かない。
私はずっと、そんな父上を寂しそうだと。悲しそうだと思って見ていた。

父上が亡くなった時、私は我姉妹に産みの母や祖父母に知らせる事を御願いした。
父上が、きっと、人生の中で一番悔やんでいる事は、産みの母や祖父母に対してだろうと思っていたから。
でも、連絡しても、来なかった。「行けないよ」って言ってたんだっけかな。

我姉妹は、祖母の気持ちが分かると言っていた。
祖母たちの中では、産みの母と離婚した時の横暴で酷い男のままだからと。
いくら、その後の父上が変わっても、祖母たちの中では変わらないのだと。

私は、父上のノートを高校生の時に見つけた。
離婚する寸前だと思う。やり切れない気持ちを綴ったノートだ。
だから、余計に。
その後も父上が、せめて祖父母には許してもらいたいと思っていたのだろうなと想像できた。
でも、許してくれなかったんだね。
時は経って、父上も丸くなり、穏やかな良いおじいちゃんになったというのに。
仕出かしてしまったことは、永遠に取り返しが付かなくなっちゃうんだね。

だから、父上は人を許してやれと私に言ったのだと分かる。
だから、父上は、私の人に甘いところを笑ってからかっていたのだと分かる。
だから、父上は、きっと許されたかったんだろうなぁ・・・って思う。

ものすごく虚しいと思った。
だから、父上は報われたんだろうか?って。
その他大勢の父上に関わった人が、沢山沢山悲しんでくれたけど、でも、それで報われたんだろうか?って。
かなり、疑問で今でも疑問で、そればかりを、いつもいつも考えてしまう。
多分、答えは永遠に出ないって思うけど。

だから。
私は、人は変わると思っていたい。
それを、ちゃんと認められる人間でいたい。
反省した人を、快く受け入れられる人間でいたい。
間違いを認めて悔やんでいるのに、それを拒否されることは、とてつもなく悲しいんだろうと思うし。
そんな想いを、私は人にさせたくは無いんだよね。
させちゃったら、自分が後味悪くて仕方無いんだよね。
それに、どうしたって。
その人が嫌いになれない事が多すぎて、気に掛かってしまう性格なんだよね。

でも、それが甘いってことだよね(笑)
そのせいで、結果。
逆に自分の想いが伝わらず、惨めな思いしする事があるって分かっちゃいるけどさ。
でもさぁ。寂しそうな背中には、父上が重なって、どうしても弱いのですわ。

なんか、偽善者っぽくて嫌なんだけどね。
まるっきり、ファザコン状態でカッコ悪いと思うんだけどね。
どーにもならんわな。

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