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2002年06月17日(月)

新車

移動しようとした。
せっかく家族ジャンルに居たので、そのまま家族シリーズを連ねようと思ったのだが、やはし居心地悪し。
どー足掻いても一般ジャンルに留まりそうな気配を感じ、出戻り読み日記するにも、イマイチ勇気がない。
で、転居しようと思ったジャンルを覗いてみると・・・

我姉妹の日記がちんまり居着いてやがる(TT)
先を越されたので、しばし様子を見てやることにする。

さて、先週の水曜日か木曜日だ。
新車を買ったディーラーから電話が入った。
「乗り心地は如何ですか?」と。



・・・・・・・「まだ、乗ってませんっ!」


営業マン君は、ちと驚かれたようだが
「乗ってみてくださいね」と穏やかに勧めてくれた。

そりゃそうだ。せっかく待望の新車が入ったというのに、乗りもしない奴がココに居る。
自慢じゃないが、あたしは新しい物を購入し、そのまま眠らせるのが得意だ。
例えば、プリンター。
元々購入予定がなかったりもした。でも、いずれはね・・程度だったもの。
たまたま行った秋葉で目をつけ、たまたま車で持ち帰れたので購入。
結局、そのプリンターを繋げたのは一ヶ月以上後のことだった。使用したのは3ヶ月後だった記憶がある。
一緒に買物をした数人からは、「ダンボールから出しても居ない」というと「使わないなら、貰ってやる」と脅しがかかった。
いや、なに。
あたしは、別にお金が余ってる訳じゃない。不要なものを勢いで買ってみた訳でも無い。
ただ、単に。繋ぐのが面倒だっただけだ。
ただ、単に。滅多に出かけないので、見かけたら買うことにしているだけだ。
よって、車もそうだ。出かける必要が無かったので、乗らなかっただけだ。

結局、一週間経って、やっと本格的に始動した新車。
昨日、ガソリンを入れにスタンドに寄ったところ混んでいた。
店員の一人に「こちらへ」と案内され、ついでに「新車ですねぇ」とお愛想を振りまかれた。
その店員は、銭形警部のような目をしていた。俳優の誰かに似ていたが、多分脇役だ。名は知らぬ。
銭形定員が「灰皿はよろしいですか?」と聞いて来た。
何分、まだ殆ど乗っていない車なので、吸殻は貯まっていないので断ると・・・

「車はきれいっ!乗ってるおねーさんはきれいっ!さいこーっ!!」

とほざきやがる。どーコメントしていいのか分からずに、口の端をヒクっと上げて笑ってやったら

「なんか下さい」

とのたまわる。あほか。その下まつげ引っ張るぞっ!
その後、他の定員に「また、バカなこと言ったんだろぉ」と突っ込まれているところによると、銭形は相当なお調子者ってレッテルをつけていいらしい。

そういえば、お相手の車が廃車になった日、落ち込んで可愛そうだったので飲みに行った。
そこの店主はあたしより若く、あたしの親の会社のご近所さんである。
「お母さんも、車変えたんですねぇ」
と早速言われた。見られてる・・・うううううう・・・ついでに言うと、我姉妹2号も変えたのだが、まぁそれは知らないから言わずにおいた。
その飲みは「廃車追悼式」と名づけて開始されたが、あまりにもグチグチ言う男はあたしは嫌いだ。
「いつまでも、愚痴ってんなよ」と窘めたところ、「お前には分かんねーよ」と叫ばれた。
そりゃ、分からんわ。新車で3年しか乗ってない車を買い換える、それがあたしさ。
お相手の説明によると、彼は「末期から見送る」車ばかりだったそうな。
要は、あたしの前愛車は、次に誰かが乗ってくれるだろう。
でも、お相手の車は、二度と誰も乗らずに廃車になっちまうという悲しい運命なのだと。

「夏の海岸線で、ボンネットから火を噴いたり」

「なんかタイヤが・・と思ったら、走ってきた道にタイヤの部品が点々と落ちていたり」

そんな経験は、あたしには無い。多少は同情すべきことなのか?
どう考えても、あたしには「おもろ話」にしか聞こえないのは、何故だろう?
大体、お相手は、殆ど洗車をしてなかった。しかも、いつも彼の車は空腹だった。
その車は、デカい方だったため、ガソリンを満タンにすると一気に銭が飛ぶ。
よって、いつもタンク半分くらいのガソリンしか入れてもらえなかった。
「きっと、タンクの上の方は、錆びてるに違いない」
いつも、そう言って同情してやったもんだ。

そうか。物に対する愛着が、あたしはちっと薄いのかもしれない。
あたしが唯一気にするのは、ぬいぐるみとかの人形くらいか。それだけは、粗末には出来ない。ああ、勿論、動植物は大事にする。
が、ふと思っただよ。自分の持ち物にまで気持ちを入れる人間は、対人間であっても同じみたいだな・・・と。
あたしは、物は物。消耗品とかそんな感じで感情面まで考えてやることが少ない。
同じように、人に対しても至近距離の人間にしか感情面まで思いを入れない。
あたしの人との距離感はかなり厳しいと言われる。
「知人」から「友達」と呼べるまで、相当な時間と密度が必要になる。
「知人」である限り、困っていて助けを求められれば答えるけれど、必要以上に感情移入をしない。
それに対し、お相手はあっという間に「友達」だ。何かと気に掛けてしまうらしい。よって、振り回されることも多々ある。

そんなお相手に昨日電話が入った。
入院いていた時に知り合った「友達」らしい。
「車、貸して」と言われたが、即座に「飲むなら貸せない」と断った。
当たり前だ。ピカピカの新車だ。なにやら「ケチだ」のと文句を垂れていたが、結局、原チャリでお出かけ。
戻ってきたお相手。なぜか嫌〜〜〜〜な空気を身にまとってやがる。

「宗教の勧誘だったよ」

げげげげげっ!
お相手によると、その「友達」はとぉ〜〜っても良い子なんだそうな。
でもね。入院中に病院の屋上で勧誘されて、その宗教に入ったんだそうな。
あたしは言った。
「宗教は、自分が救われるなら何でもいいが、友達は誘わないのが礼儀じゃねーの?」
すると、お相手は答えた。
「だから、俺なんだろ。」
うへへ〜〜〜だ。友達じゃないから誘われたんじゃんか〜〜〜〜っ認めてやがる。
ネットで仕方ないので、その聞いた事も無い宗教を検索してあげた。ちと、胡散臭い。
それを見て、お相手はその入院仲間に電話をし、こう言った。

「俺は、自分の彼女を拝んでるからいいわ。俺の彼女はすごいぞ。仏様よりも強いかもしんねーぞ」

おいおい。仏様より強いって、えーーーと(汗)
仏様は、まず戦わないだろう。強弱の問題とは違うだろう。何かが微妙にズレているらしい。
うほほ。いや、断じてあたしは宗教家では無い。お相手だって、あたしが説教したところで、決してあたしを崇拝なぞしやしない。それどころか、彼の生活にとっては不要な、不幸なことが次々と起こってると思ってる輩だからだ。
そんな愚痴を聞き飽きてしまうあたしは、いつも言うのだ。

「世の中は、うまいこと出来てるんだぞ?自然と、必要なものは、必要な時に向こうからやってくるんだ。不要だと思った出来事も、必要だから起きると思った方がいいぞ。」

そんなことを、説教されてるお相手が、車が廃車になった時に呟いた。

「ほんと、世の中よく出来てるよな・・・お前の言う通りだよ」と。

確かに。
お相手の家で二台借りていた駐車場。あたしの分を先月解約した。
それから、間もなくしてあたしの新車が納車されたが、お相手ん家に行く以外、普段出かけぬあたしは、せっかく買った新車に乗る機会を失っていた。
そこへもってきて、お相手の車が廃車だ。
駐車スペースがちゃんと空いたじゃないかっ!
彼は身をもって「必要な時に向こうから〜」を実感しちったらしい。

が、まて。
必要だったのは、きっとあたしの新車君だろう。彼では無い。勘違いしてるな?
しかし、この事態は、常々、お相手が羨む「あたしの運の良さ」を目の当たりにする事態となったらしい。
あたしが誇らしげに「普段の行いさっ♪」と威張った事は言うまでもない。

と、こんな自意識過剰傾向なあたしを、我姉妹は飽きれてる。
呆れられたので、投票ボタンにしてやることに。
何の脈略も無いのだが・・・かつて転職を繰り返すあたしが、親になんか言われるかなぁ・・・と悩んだことがあった。そのときの我姉妹の言葉。

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ああ、だから、そのジャンルに辿り着いたってわけね(号泣)