浪奴社員の呟く
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受験はそれまでの半生を秤にかけた、『自分評価』の一手法になると思ってるんやけど、それがあるから道中で足りないものを必死に探し当てようともするし、結果ではなく過程、その過程があればこそ結果、になるんやと思ってる。纏めれば、『闘い方』を知ってるか?
彼は必死になってるんやけど、残念なくらいにその闘い方を知らん。勿論、それは此処からでも薄々感付いていた。それがこの1週間を切った時点で明白になってしまった。どうなんやろう、あの眼差しを見て正直目頭が熱くなる想いを抱いたんやけど、彼に結果を持たせたい、それでも生半可な受験にはならん。総括的な見方をすれば、限りなく不合格に近い領域にいる。『逆転』と呼ばれる受験をしてきた連中は、必ず何某かの自分を有してて、それがあるからこそ所詮の受験、とまで言い切っていい。もっと苛烈に云えば、そうでない受験に意義はない。
ワシは連中に目先の生き方を教えたくないから、例えば数学なんかでも、準頻出クラスの公式、なんぞには目もくれん。そういう容量の大きさでこそ、この先の十年、その先の十年、生きることに彷徨うことなくやっていけると信じてる。
今の連中の顔付きは、それはこの時代語られる彼らのそれとは大きく異なっている。断言してもいい。あいつらは間違いなくエェ大人になる。結果が全てやない、それはからだの中に染み付いてこそ、の言葉やな。後僅かの時間、アイツらの過ごすものは少し愉しみを抱かせてくれる予感がしてる。
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