きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 いや、それはごもっともなんですが

本日の担当:SHY

 「まだまだ修行が足りないね」
 何のことかと言うと、説明する能力のこと。


 私はSizにとってどんな存在なのだろう。
 Sizが寝る時間付近の帰宅は心臓によくない。
 玄関の扉を静かに開けると、寝室で物凄い音がする。
 扉にSizが激突する音だ。
 私が帰ってきたのを察知して、布団から跳ね起き、そして扉に向かってダッシュするのだろう。
 もちろん事故ではなく、激突しているのは手からなので痛い思いはしていないはずだが。
 かくして、満面の笑顔で私は出迎えられるが、Sizを寝かせようとしていたkinaの努力はこれで水泡に帰すことになる。


 ベッドサイドランプだけの明かりで、Sizに絵本を読んだり、1日の出来事について話したりする。
 Sizはうつ伏せで、両手を顎の下にあてて少し斜から私に視線を送る。

 あの〜、なんだか色っぽいんだけど。

 こういうときのSizはとても大人だ。
 色々なことを指折り数えて話したりする仕草は、とても様になっている。
 途中、髪を掻き上げたりしながら。

 あの〜、あんまり2人が仲いいから、ママは背中向けて拗ねちゃってるんだけど。


 「寝るよっ」
 さすがに1時間もそんなことをやっていると、kinaがしびれを切らす。
 明かりが点いていて私とお喋りしている限り、Sizは眠らないのだ。
 それを消そうとすると、大人のSizはどこかへ飛んでいってしまう。
 くしゃくしゃの泣き顔に変わり、何としてでも消灯を阻止しようとする。
 「何で消したら駄目なの?」

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 当たり前だ。
 それは理由になっていない。


 きっと彼女は暗闇や、眠りの先の不確定な部分を恐れているのだろう。
 それは生命がどこかに持っている、本能のようなものだ。
 いつか、人はそれを忘れてしまう。
 泣いてもいいから、まだしばらくは大切なことを忘れないでいて欲しい、と思った日。

2003年05月15日(木)
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