きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 クッキング・タイム

本日の担当:SHY

 「キミもママに似るのだろうね」
 何のことかと言うと、料理のこと。


 最近のSizはkinaが食事の準備をしていると、キッチンを覗きに行く。
 わざわざ椅子を持って行って、kinaが何をやっているのかをじっと見ているようだ。
 見ているだけならいいのだが、手を出すからいつも怒られて追い出される。

 kinaは結婚するまで料理ができない人だった。
 それが今では十分な腕を持っているし、それを楽しんでいる節さえある。
 人の成長や変化は、予想がつかないものだ。
 だから、Sizも今のような時期を過ぎたら、しばらくキッチンには興味すら示さないような時が来るのだろうと私は何となく思っている。
 それでも問題ないのだから、別に構わないだろう。


 だが、それはそれ、だ。
 今のSizは料理に並ならぬ執念を持っていて、入浴中に私がその餌食になる。
 「はい、ご飯作るからね」
 バスタブの縁に手桶を並べて、鍋の代わりにするのだ。
 「パパはスパゲッティ作って。しーちゃんはスープ作るから」
 私は「鍋その1」に水を入れ、火をつけ、Sizにスパゲッティの束をもらって茹で始める。
 Sizは「鍋その2」に水を入れ、野菜や肉を切ってスープを作り始める。

 時間が経って、私は「鍋その1」をひっくり返して湯を切ってから「できたよ」とSizに告げた。
 Sizはその言葉に反応して「鍋その2」に手を伸ばした。
 火を止めているような素振り。観察は完璧だ。
 「それ、どうするの?」
 私は彼女をみつめて訊く。
 彼女はそんなことも知らないのか、と言いたげな顔で私をみつめ返した。

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 おいっ、スープじゃなかったのか!?

2003年05月08日(木)
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