きみはボクらの宝物
小悪魔研究所



 お呼びでない、ってやつですか

本日の担当:SHY

 「キミも世界に目を向けるの?」
 何のことかと言うと、サッカーのこと。


 元旦の午後は天皇杯を見て過ごした。
 「サッカー、やってるの?」
 Sizは私達の見る番組に、いつも敏感に反応する。
 そういう年頃なのだろう。
 この前もレアル・マドリーと世界選抜の試合を見ながら、何か騒いでいた。

 ところで、私はJリーグのことはあまり知らない。
 特にパープルサンガなど、誰がいるのかもわからない。
 だから、ワールドカップ期間中も日本代表の選手を眺めながら、どこのクラブに在籍しているのだろうかと思いをめぐらせていた。
 そんなことを考えているとSizが不意に言った。
 「じだん、は?」
 じだん...ジダン?
 パープルサンガの白いユニフォームを見て、レアル・マドリーと勘違いしているのだろう。
 ジダンはいないよ、と説明すると彼女は納得したようだった。
 「ろべかる、は?」
 ロベルト・カルロスもいないよ、これはレアル・マドリーじゃないんだと私は付け加えた。
 彼女はしばらく考え込むような仕草をした。
 そして。
 「べっかむ、は?」
 これはレアル・マドリーでもマンチェスター・ユナイテッドでもなくて、日本のクラブであると説明しようとしたが、さすがにそれはわからないだろう。
 ベッカムもいないと言うと、彼女は最後の切り札を出してきた。
 「ばっじぉ、は?」

 ...その人は、ワールドカップにもいなかったんですけど。

 ドイツ大会の時は、一緒に応援できるだろうと思ってなんだか嬉しくなった日。

2003年01月02日(木)
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