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 わすれられない戒。13
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ココのあらまし説明をつけてみました。
初めての方・概要を知りたい方などは、
>>コチラからどうぞ。
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下腹部が、鈍く、痛い・・・・・。



途切れそうな意識のなか、
もうろうとしながら、打った、
たった四文字のメール。
なんて一方的で、
なんて感情的な。

『死にたい』

という、言葉。。。。。


送信先は、捨てた命の、
もうひとつのDNAをもつ相手。
いつも、アタシを優しく抱きしめる腕の持ち主。。。。


メールを打ち終わってすぐ、
アタシの意識は再びなくなる。

たまに意識がもどってくるのか、
でも、目をあけることはできなくて、

かすかに、
隣のベッドに、
アタシがはこばれてきたときのように、
看護婦さんにつてられて、
ほかの人が帰ってきたときの音だとか、

看護婦さんがたまに様子をみにきて、
何かゆっていったなぁ、とか、

そおいうのは、覚えている。


きっと、
まだ切れない麻酔のなか、
夢がさめかけているときみたいに、
現実と眠りのなかを
いったりきたりしていたんだと思う。


なによりも、


腰の下にひかれた、
ブルーシートが、つめたくて、
寒かった。

眠りからさめそうになるたび、
寒い、、、、と思った。

そして、

麻酔がきいてるときから、
鈍くいたんでいた下腹部は。
時間がたち、
麻酔がきれていくにつれて、
その痛みを増す。


痛い・・・・・・・・・・・・・



それは、
ちくちくした、とか、
すりきずや、かすり傷がいたむという痛みではなくて、
内側が鈍く傷む痛み。


あぁ、きっと、
子宮の中を、綺麗にするために、
胎盤なんかをむりやりはがしたりするんだよね?
内側をきれいにするって、
確か何かで読んだ。


子宮から、
無理やり引き剥がされたアタシの細胞。

鈍いけれど、
確実に大きな痛み。



生理痛なんて、比じゃない。




思いどうりに動かない体を、
やっとのことですこし動かして、
体を『くの字』にする。


寒さから逃れるため。
痛みが緩和するようなきもして。



麻酔の効いたあたしを、
現実にもどしていたのは、
この痛みだったのかもしれない。




痛い。痛い。痛い。痛い。






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感傷的になっているのは、
きっと当事者だけなんだ。
遠くできこえる。
となりの処置室からの音。

アタシも、隣の人も、終わった。

看護婦さんと、先生と、
『普通』の、はなしごえ。

会話の内容はわからない。
だけど、感じ取る。
続く会話のなかで、
たまにもれる笑い声。

他愛もない話をしているんだろう。
日常の始まり。まだ、朝だ。



いろんなことを考えたきがする。
いろんな夢もみたきがする。
アタシが『意識がもどった』とおもっていた時間は。
実は夢の中だったんじゃないかと、
思うくらい。
だけど、それらは、ほんの少しだけの時間のなか。
最初に、この病院に足を踏み入れてから、
多分一時間もたっていなかった。


はじめてしった。

堕胎手術って、こんなに簡単に、
あっけなく、
そしてわずかな時間で、


終わってしまうものなんだね。




大分麻酔もさめてきたころ、

『そんなこというなよ・・・』

という返信メールをみて、
あぁ、ゆめじゃないのかぁ。
なんて、確認した。




>>続く。。。。。。。







2004年02月22日(日)
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