負けました。

本当は彼の誕生日前に告白しようとか考えてたけど、もうダメ。
彼の顔を見るたびに、声を聞くたびに、なんだか切ないほど苦しい。
といっても、なかなか「ここ！」というキッカケがない。
そのキッカケに誕生日を設定していたのにそれまで1ヶ月もあるのよ！！
そんなんじゃ、自分の胸の苦しさで窒息死しちゃいそうなんだから！

今日のバイトは大ホールでの披露宴。
しかもお金持ちの結婚らしく、料理はフルコースとかで
ベテランバイト・社員駆り出しての一大イベントになっていた。
当然、働いて3年目に突入の私も、彼も同じ部屋での仕事だった。
・・・私は。彼のテーブルのナナメ後ろとかでなんか張り切っちゃってたのよね。
そして何故か、こんなところにカケてみた。
一応彼より2週間ほどバイトでは後輩な自分。
ここはフルコースのサービスで、彼より早く行けたら告白しよう、って。
ダメだったらまた次の機会！とかって、勝手にね。
お客さんの食べ具合にもよるフルコースのサービス。
本当、運も大事で、まさに「カケ」そのもの。
かといて、自分の腕（？）もかかってるし。

結果は。
めちゃ、ハイスピードな自分。
下手したら先頭のテーブルより早かったらしい（苦笑）
（一応前が最初、というルールがあったのに・・・）
３０テーブル以上ある会場でやりとげました、自分（笑）
そして。
勇気もたまってた。やりとげた充実感で騙されながら。
それも勇気のような錯覚だっただけかもしれない勢いで。

「お疲れ〜」

「お疲れ、南条さん。サービスめちゃ早いじゃん」

「さんきゅ。ちょっとカケてたから」

「？何？？」

「いや、こっちのこと。
　それでさ、疲れたし一緒に飲みに行くってのはどう？」

「いいねぇ〜、ビールとか飲みてぇ〜」

「じゃ、決まり！また後で！！」

ハイ、頑張ります。準備は出来ましたから！！