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past will
→ 過去の話。〜その次の日 |
2000年07月29日(土) |
次の日。 ひさしぶりに先輩より電話が来る。しかも朝。 なんだろう、と出てみると「今日から実家に帰るよ」と。 彼の実家は海を渡った北海道だから 夏休みとか長い休みにしか帰らないらしい。 そしてしばらく帰ってこない。
そんな連絡だけでも嬉しかった。
単なる後輩に「実家に帰る」コールはくれないでしょう? そう考えたら嬉しくて嬉しくて。 なかなか会えない、というのは休みに入った時にわかってたから、 そんなに辛くなかったし。 「空港まで送ろうか?」って行ったけど 「いいよ、ありがとう」と電話は切れた。
・・・彼女いるもんねぇ・・・とここで卑屈になりつつも。
私は先輩のいない間に東くんと何回会うんだろう・・・。 そう考えつつも明日もみんなで星を見に行こう、という約束になっていた。 夏は流星群が大接近するんだって。東くんから聞いて初めて知った事実。 数え切れないほどの星が次々に流れるんだって。
そうやって、先輩よりもたくさんの共通の思い出を作ってしまうんだよ?
言うつもりは無かった。先輩に東くんの存在のこと。 嫌われたくなくて。知らないまま先輩は実家に帰ってしまった。
心配した天気はまずまず。 大きな車を持ってる人がいない私らはレンタカーで出発。 東くんが意外とスピード狂なのが発覚する。恐いって、運転・・・。 もちろん、星を見に行くんだから出発したのは7時過ぎ。 結構有名らしく、そこの山道を走る車は多かったし、 登っていくと車の数が増えていった気がした。
天体マニア、といえば良いのでしょうか? 望遠鏡をセッティングしてる人やテントを張ってる人までいる始末。 そして今は8月だということで油断した私たちは普通の格好で来てしまうと 実は車を降りるとかなりの低温で、寒くて立っていることができない。 泣く泣く一時下山して寝袋やら冬のジャケットやらを装備してくる。
山の上は雲が晴れていて、見たことも無いぐらいの数の星が瞬いている。 それだけでも充分ため息モノなのに、 その大きな闇のキャンパスに青白い光がいくつもいくつも流れていく。 最初、数を数えていた私たちもさすがにその多さに途中から数えるのが面倒になるほど。
レジャーシートを敷いて、そこに寝袋を持ち出し仰向けで空を見る。 これが一番楽で一番長く空を見ていられる。 時々乱入する新しい車のヘッドライトがジャマするけど。
東くんが囁いて「ちょっと違うところでも見てみようよ」と私を誘う。 正直寝袋から出るとかなり厚着してるけど寒くてちょっとためらうけど みんなの中の二人じゃなくて、 二人きりでこの空の下で、というのもなかなか無いだろうな、 と思ったらオーケーしていて、みんなには「ちょっと」と抜ける。
寒かったけど、暖かかった。 隣りにいる東くんの体温が近くて、体は震えるけど心は温かかった。 たぶん時間では10分ぐらいだったも知れない。 寒さにみんなのところに戻るけど、その時間を忘れない、と思った。
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