日記、掲示板のいずれかのキリ番を踏まれた方で
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past will
→ 過去の話。〜初めの一歩 |
2000年07月28日(金) |
曇り空。だけど海に向けて出発。
前から約束してて、夏だし海に行こう、と バイトの友達と2時間以上のドライブ。
私が住んでるところは盆地で近くの海に出るにはそれぐらいかかる。 メンツは女の子3人男の子4人で合計7人だったので車は2台に別れる。 小川くんの片思いのコが私の友達ということもあり、 彼女は別にバイトで一緒だったわけじゃないけど誘ったりして なんとなく彼と彼女をいい雰囲気に持っていこう、というイベントにもなっていた。
小川くんはすごくいい人なんだけど、 なかなか女の子に恋愛対象にしてもらえない、という悩みを持ってて 今回も彼の好きな人・マイちゃんは今好きな人がいないというのを確認済で 当然彼が彼女を好きな事は彼女以外みんな知ってるんだけど内緒で(笑) いかに自然に二人の会話にもっていくか、そういうことに燃えていたような。
・・・私は一緒にいる東くんが気にならないわけではなかったけど どちらかというと小川くん・マイちゃんの二人が気になって 出来ればうまくいって欲しいな、と思いながら車に同乗する。
まあ、マイちゃんから見れば私以外で知ってるのは 同じ大学である小川くんだけとなるので、 自然と彼と二人で話す時間が多くなっていた。 それを見ては東くんやユウちゃんと「いいカンジじゃん?」と囁く。
海にいくものの、泳ぎに入る人は2人だけ(笑) あとは波打ち際で波と戯れて遊ぶだけだったんだけど、楽しかった。 写真も撮ったし、浜辺を走ったり。 なんか作られた「青春」?とか思うと笑えた。
夕日を見ようと思ってたのに残念ながら水平線は雲に覆われていて見れず。 そのかわり、キレイな星空を見る事が出来た。 砂浜に小さなビニールシートを敷いて、 みんなで横になって空をしばらくボウッと見た。
隣りは知らない間に東くんだった。 少し二人きりの錯覚。私得意の妄想癖か。
さすがに帰路を考えると帰る時間となった。思い思いに車に乗り込む。 私はマイちゃんの車の後ろのシートに東くんと乗る事に。助手席は小川くん。
近くのファミレスで夕食もしてた後だったので、心地よい疲れと満腹感が眠りを誘う。 隣りを見ると東くんもそんなカンジで、ウトウトきてるし。 目をつぶる。でも、頭はまだ起きている。 前の席の二人の会話が耳に入る。
「マイちゃん今日来ないかと思った」
「どうして?」
「だって知らない人ばっかりじゃん」
「でも、小川くんも知ってるしカオリちゃんもいたし」
「楽しかった?」
「うん。みんな楽しい人たちだし、来て良かった」
・・・等など、いい雰囲気の会話が車内に響く。
小川くんは私たちが座る後ろを振り返り
「カオリちゃんも東くんも寝てんの?・・・(返事が無い) 疲れたのかな?」
私は薄目で隣りを見ると、東くんも同じ体勢から動かない。 ・・・私も寝てる事にした方がいいかなぁ、なんて判断で目を閉じたまま。
「寝ちゃってるよ、二人して」
「いいよ、寝かしておこう」
・・・今日の海の話しや音楽の話しや、 二人は私も彼もホンキで寝てると思ってか 二人だけで会話をどんどん進めていく。
本当なら私も隣りに座ってる東くんと話しでもいたいんだけど 彼は本当に寝ちゃってるみたいだし、 私が二人の間に入るのは気が引けてそのまま寝たふり続行。
しばらくして。
いつのまにか二人の会話が恋愛トークに突入していた。 小川くんは彼女に好きな人いないの?なんてフリまでしてるじゃない。
・・・ますます起きれないでしょう!(笑)
そんなふうに思いながら目をつぶってると小川くんは言った。
「オレ、マイちゃんが好きなんだ」
・・・!!おいおい!私寝てないんですけど!!?? 薄目で隣りを見ても東くんは寝たままらしい。 聞いちゃったよ。他人が告白するのをライブで経験。
マイちゃんは・・・表情とかは目をつぶっているので見えないけど困惑した空気が後ろまで伝わってくる。 小川くんもそれ以上なにも言わないしぃ。
どうすんのよ、突然告白しちゃって!
「ありがとう」とマイちゃんがいった後、 小川くんは自分の告白をフォローするように
「前からカワイイな、と思ってたし、でも話したらもっと好きになってさ」
「・・・そうなんだ・・・」
「どうかな。オレの事どう思ってる?」
「え?いい人、かなぁ。優しいし、楽しいし」
「そう?・・・そうかぁ」
なんて前に進まない会話をしている前の席の二人。聞いててじれったい。 男ならちゃんと「つきあってくれ」ぐらい言わないと!と思ってるのに、 どんどん話は告白したところから離れていく。 ああ、もう戻らないな、と思った時隣りの東くんが起き出した。 それに合わせて私も今起きたかのような演技。
「寝ちゃってた!?」なんてワザとらしかったかなぁ。 東くんはまだ眠そう。 小川くんもマイちゃんも何も無かったように「二人して気持ちよさそうに寝てるんだもん」とか言ってるし。 なんか私が空耳で聞いただけだったみたいだなぁ、小川くんの告白。 でも、人の事なのにドキドキしてる自分がいるし(笑)
地元に戻ってきて。 もう11時を過ぎていたのに、野郎どもは「これから東の家で飲むぞ」と。 私はマイちゃんに家に送ってもらう約束もあったし、 と女の子チームは解散。野郎だけで買い出しに行き、東くんの家に行ってしまった。
・・・もちろん帰りの車中であの告白については触れなかった。 私は寝ている事になっていたし。 本当はめちゃめちゃ聞きたかったんだけどね。マイちゃんの素直な気持ち。 なかなか聞いてないフリというのは、自分自身の中でツライ。 ああ、言ってしまいたい!(苦笑)
まあ、そのまま別れ、私はオフロに入って寝ようと思った時電話が鳴る。 だからぁ、うちは実家で、今は12時過ぎてるんですけど!?と思いつつも出ると案の定ヤツラ。
「南条〜いいから来い〜」と酔っ払いの声。 東くんかい。
迷ったけど。オフロに入ってスッピンだし。 でも、その楽しそうな雰囲気につい私は原チャリを走らす。
東くんちに到着。・・・う、酒とスルメのニオイで充満(苦笑) 「お、早いじゃん。まず飲めよ」と野郎4人に囲まれる。
それから。
会話は小川くんの話へ。 「どうだった?」「たくさん話したか?」とか。 私は・・・言っちゃおうかと喉まで出かかったあの告白の話をしようと思ったら 「帰りの車の中で告白しちゃったよ」と本人から先に告白された。 「カオリちゃんも東くんも寝てたけど」と言ってたけど、さすがにもうイヤで「・・・寝たふり」と自爆。 彼は「うそぉぉ、聞いてたのぉ!?」と絶叫し、 「そうだと思ったよ」とため息(笑) そして隣りの東くんは「・・・実は俺も寝たふり」だって! なんだよ、ソレ!?(笑) それからは「ちゃんと気持ち聞かないとぉ」とか 他人事だからガンガン言う状態に。 酒も入ってるからなんでも言ってオーケーな雰囲気だし。 そんな中で氷が尽きて「オレ買ってくる」と東くんが席を立ち、 「南条も付き合え」と腕を引っ張る。 「あ、う、うん」慌てて靴を履いて近くのコンビニに行く事に。
コンビニで氷を買って帰る。5分ぐらいの距離。 他愛も無い話をしていたのに「ちょっとここに座って」と東くんが途中のえん石を指差す。 ?と思いながらも言われるままに。「ちゃんと聞いて」頷く私。 「同じ大学の好きだと言ってた人はもういいんだ」「そうなの?」 「俺は南条が好きになったんだ」「はい??・・・だって、私は」 「わかってる。でも好きになったから」 彼の目は真剣だったし、別に冗談を言ってる風ではなかった。
私は。
自分の気持ちを素直に言わないとダメだろう、という気になってしまって 「・・・私も気になる人がいるって言ってたでしょ?それは東くんの事だよ」 「本当!?・・・嬉しいな」素直に喜ばれると・・・。 笑顔がまともに見れない。
知ってるのに。私が先輩も好きでいる事を。
「南条がサークルの先輩とやらを好きなのは分かってる。 でも、付き合ってくれないか?」 そう言ってくれた。 「気持ちの整理に時間がかかると思うけど、それまで待つから」と。
私は迷っていたくせに、恐ろしく簡単に「いいよ」と言ってしまった。
あてつけだったのだろうか?ハナちゃんと付き合ってる先輩に対しての。 ただその時はそれよりも東くんがちゃんと告白してくれた事実が嬉しかっただけかもしれない。
「私、先輩のこと好きなんだよ?それでもいいの??」とズルい質問もしてるから たぶんいろんな計算が知らない間にされていたかもしれない。 そういう女だ、私って。
「いいよ。待ってるよ。とりあえずオレの事も好きだと思ってくれてるなら」
そう。・・・ありがとう。
私は・・・幸せかもしれない。
私は先輩への気持ちを完全に残したまま、東くんと付き合う事になる。 氷を持って彼の部屋に帰った時は、皆には何も無かったかのように座った。
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