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past will
→ 過去の話。〜夏の日 |
2000年07月24日(月) |
「みんなで花火しようよ!」と言い出したのは東くん。 いつもいつも飲み会ばかりでつまらないし、という事で 飲みに行く前に花火を買い込んで、 東くんとユウナの母校である中学校のグランドに忍び込む。
ユウナとは、私が高校の時の同級生でバイトで再会。 大学は東くんと一緒のY大に通っている女の子で、 彼女には年下の彼氏がいた。 でも、最近本当に彼が好きなわけじゃない、 ということに彼女自身気付いてしまいそういう話を聞いていたりしていた。 高校の時よりもバイトで再会した後の方が、仲良くなった気がした。
さて。
彼女は東くんと小学校・中学校と一緒だったらしく、 そういう繋がりからバイトの中でも 私と彼女と東くんと私の男友達と4人が主で そこに何人か入れ替わり立ち代わりメンバーが入ったりしていた。 今回の花火には東くんの先輩を入れた5人で 手持ちやら打ち上げやらの花火をした。
夜中中学校のグランドに忍び込んでの花火は 変なドキドキ感があって、また楽しい。 皆妙にハイテンションだったんで、会話もいろいろ飛ぶ。
私はそこでサラッと東くんに聞いた。「ねぇ、好きな人ってどんな人?」 興味があったからストレートに。 彼は私が先輩を思っていると知っているわけだし。 彼はそんな私の言葉にユウナをチラッと見てから「・・・ホラ、いるから言えないよ」と一言。 私は「ああ、なるほど」と彼の言葉に頷く。
私の解釈はこうだ。「本人がいるのに、こんなところじゃ聞こえちゃうよ」と。
そうか、彼はユウナのことを好きなんだ、と。 でも彼女には彼氏がいて、自分の気持ちなんて伝えられずにいるのね・・・なんて思ったら 他人事なのに、胸がキュ〜っとしてしまった。
と同時に、私の片思い手前のこの思いが、 本当の片思いにならないことを願った。
「願った」んだけど。 ・・・私はどうやら元々障害がある思いというものに惹かれるのか 彼が私の友達を好きでいるんだ、という事を知った瞬間に 私の中の彼への思いが一瞬だけど大きくなってしまったのだ。
「好きになっちゃダメ」と思えば思うほど、 熱くなってしまうといえば良いの? まさにそんなカンジで私は彼に笑顔を見せるのも少々ツラかった。
そんな時、 学校に隣接していた民家から懐中電灯を持ったオジさんが「誰だぁ!?」と 私たちの方に向かって走ってきたので、 私たちはバラバラと個々に逃げ散った。
私はユウナと一緒に校舎の影に走った。 走っていって、ほっとして・・・彼女と顔を見合わせて大笑いしたんだけど まるでドラマのように、 私の目から笑っているのに涙が出てしまって彼女はビックリして 「カオリちゃん、どうしたの?」となだめる体制に入ってしまう。 なんだかわからないけど、涙が出てしまったのだ。
彼のなかなか言い出せない想いと(と決まっていたわけじゃないのに) 彼女のバランスが崩れそうな恋愛と、 私の微妙な片思いとを考えた時に私は変な計算をしてしまったのだ。
「私が先に彼への思いを彼女に伝えたら、 彼女はきっと東くんに告白されてキライだと思わなくても断るんだろうな。 というか、彼女は彼のことキライなわけ無いんだけどな」・・・と。
永遠と絡み合った思いへの答えを出そうとすればするほど、涙が出る。 でも、彼女が心配そうに私に話し掛けてくれるので思わず。 「さっき東くんがユウナのことを好きだって聞いちゃって」と核心に触れる発言をしてしまう。
彼女は「・・・カオリちゃんは彼のこと好きなんだ?」って聞いて私が「ちょっとね」と答えてから 「私は東くんはカオリちゃんのことが好きなんだと思ってたよ」という。
そうか。ありがとう。でも私は本人から聞いちゃったからね。と笑う。 笑って「でも、先輩を好きな気持ちも本当で、彼への思いが本物かよくわからない」と正直に伝えた。
それから、バラバラに散ったみんながこっちに向かってきて 「ドキドキしたなぁ」「じゃ、飲むかぁ」とたのしげな雰囲気に変わる。 私とユウナはみんなの後についてその場を去った。
・・・私の思いはこの時急加速し始めたように思う。
気になってしょうがなかった。 そして彼がユウちゃんに話しかけるたびにドキドキした。 私はユウちゃんに言ってしまったのだから。 彼女は意識しないのだろうか、と不安だった。
けど、彼女はかなり大人なのか 私が話した後も知る前の態度と全然変わらなく話をしている。 「仲間」の中で恋愛(それが片思いでも)すると大変だな、と実感。 イヤ、先輩の時もサークルという「仲間」の中での片思いだったけど。
それから何度も遊びの連絡等で彼から電話がきたりして、 相変わらず長長と話をするものの 私は肝心なことは聞けずにいたし、言えずにいた。 「いつからユウちゃんが好きなの?」「告白しないの?」 言いたくても言ったら自爆しそうで、他の関係ない話ばかりで盛り上がっていた。
「自爆しそう」と思った時点で、私は片思いの症状が出ていた。 別に好きでもない人なら、応援してあげたり相談に乗ってあげれば良いのだから。 それでも彼には悟られないように先輩の話等して「私は貴方が好きなわけじゃないのよ」 といったウソの予防線みたいなものを張って、 彼の前では「先輩にフラれても一途にまだ思ってるバカ」を演じた。
・・・演じた、といえば嘘かもしれない。 本当に先輩のことも大好きだったから。
ただ、あまりにも可能性の無い恋をずっと続けていた自分に 少し疲れていたことも事実。 片思いでも「恋」は「恋」。パワーがいるものなのだ。
先輩はハナちゃんとつきあってる様子を見せながらも 私の家に時々ながら電話をくれ、内容の無い話ばかりしていた。 先輩にも聞けなかった。「ハナちゃんと付き合ってるんでしょう?」と。
先輩にしろ、東くんにしろ、一番ハッキリさせたいことが聞けなかった。 なんだかんだ言って、恐いのだ。自分が傷つく言葉を聞きたくないのだ。
私はこれからどうしたいんだろう。 ちゃんとした事実も知らないままで、宙ぶらりんとした自分のココロを これから自分一人でどうやってカタをつけるつもりなんだろう。
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