窓のそと(Diary by 久野那美)
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何かに会ったとき。 昔出会ったままになっていた別の何かが、はじめて形を持ってずんと現れてくることがある。記憶の中の、ずうっと奥の方になんとなく所在なく浮かんでいただけのものに突然輪郭ができて、温度差ができて段差ができて、意味ができる。
目の前で、何か途方もないものが合成される幸福感。絶頂感。 同時にその何万倍もの何かが一瞬にして消えてしまう衝撃的な喪失感。
消えてしまった何かに比べて、残った方の何かは信じられないほど小さくてつつましい。 海を爆破して塩を集めたらこんな感じがするんかな。
今ここで私が出会ったのはどっちだろうかと思う。 消えてしまったほうの何かなのか、合成されたほうの何かなのか。 何かを手に入れたのかそれとも失くしてしまったのか。
新しい何かに出会ってどきどきわくわくしているとき。 いつもそれを考える。考えるとわからなくなる。 悲しいような気もするし、とにかく幸せでたまらないような気もする。
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用事があって1週間、関東を旅行した。 いろんな場所へ行って、いろんなものを見て、いろんなひとに会って、いろんな話をした。 いろんなことを思った。
だから。ひさしぶりに日記書いてみたりして。
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