窓のそと(Diary by 久野那美)

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2000年12月19日(火) おしまいのあとで。  

私はこれまで、何でもおしまいの瞬間に全て精算し、ゼロに戻してきました。
終わったあとに何かが残るのが嫌でした。
公演が終わったら、出演してくれた役者さんにもスタッフさんにも会わなかったし、台本も読み返さなかったし、公演で使ったものはぜんぶ処分してしまいました。打ち上げとか精算会とかに行くのも嫌でした。おしまいの瞬間になにもかも消えうせて、後に何も残らないのがとても気持ち良かったのです。というか、そうでないと耐えられなかったのです。

今回、公演に先立って、制作さんの方から「公演が終わった後のことをどうします?」という質問がありました。私はとても戸惑いました。終わったあとのことがどうして公演の打ち合わせの議題になるのかわからなかったのです。
おなじ公演に携わったひと、同じ公演を見たひとが自分の言葉でそれを表現できる場、ひとの言葉で表現されたものに接する場を作りたいという制作さんの意見を、狐につままれたような気持ちで聞いていました。わたしがつままれている間に、ホームページの掲示板を終演後も残しましょうということに決まり、アンケートにその旨が表示されていました。
「せっかくどんな風にも解釈できる作品なんだから、いろんな解釈が交換できる場がほしい。」というのがその企画の意図でした。

公演にまつわることでひとつだけ、公演が終わるまでではなく公演が終わってからしかできないことがある…。
これまで考えたこともなかったこの不思議な(私にとって)企画に、今回挑戦してみようと思いました。おしまいのあとに起こることを見届けてみようと思ったのです。

今日早速、3人の方が掲示板に感想を書いてくださいました。
びっくりしました。とても嬉しかった。ちかいうちにお返事を書きたいと思います。
でも私たちだけでなく、書いてくださった方同士がここで出会い、ことばを交わすことのできる場になれればそれはもっと素敵だなとも思っています。

見にいけなかったけど上演台本を欲しいという方からのメールを何通か頂いています。
公演を見ていただきたかったのはもちろんですが、そう言って下さる方がいるのならぜひお届けできる方法を検討したいと思います。近いうちホームページでお知らせします。

そんなわけで。
このページはしばらく残ります。
掲示板と、それから舞台写真ができたらくろやぎ写真館に掲示します。
よろしければぜひ、ごらんになってください。

この日記は…どうしようか悩んでいます。なぜかカウンターがついてるので、もしもひきつづき読んでくださっている方がいらっしゃるなら続けてみようかとも思うのですが…。


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