窓のそと(Diary by 久野那美)
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事故で亡くなって5年たってもまだときどき鳴る娘さんのポケベルを、解約しないでそのままにしているというお母さんの話を聞いたことがある。 主のいなくなったホームページがいつまでもそのまま残っていたりするという話も聞く。 これはなんだかすごいことだ。 何かのために作られたシステムでも、あらかじめ終わりを設定せずにプログラムされたものはシステム自体が故障するまで同じ状態で残るのだ。その「何か」が故障して、システムが本来の用途を果たさなくなったとしても関係ないのだ。
本来の目的を失っても迷うことなく動きつづけるシステムを見るとき、なんだかとても複雑な気持ちになる。何かがたしかに終わってしまったことと、それはたしかにそこにあったのだということを全く同じ次元で実感する。
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