昨日、エレベーターに乗って、1Fに降りて、書店でボーーーっとしていたら、文庫新刊に大沢在昌(おおさわ・ありまさ)があった!
俺、大沢在昌は、多分、全部読んでる。ハードカバーは買わない。文庫になったところで買う。安い読者だ(笑)
(新宿鮫シリーズはカッパノベルズで。風化水脈と狼花だけはハードカバー。)
何が大沢ハードボイルドの魅力かといえば、ひとつは、その主人公のキャラクター設定だ。現実世界ではありえない奇想天外な設定も多いけど、心情の描写が細かくて、キャラクター紹介だけで相当のページ数を割く傾向にあると思う。
そうなると、主人公に感情移入せずにはいられない。
さらに主人公に感情移入した後は、ストーリーがまるでジェットコースターのように急展開を始めるのも特徴だ。前半部のゆったりしたリズムが急激にビートの効いたものとなるのだ。
【天使の爪】
アスカ。
(トリノ五輪4位の某選手の姉ちゃんのことではない。)
『天使の爪』の主人公アスカは、脳移植によって生まれた麻薬取締官。美しくも脆弱なマフィアの女の肉体と、元女刑事の強靭な精神を併せ持つ…
『天使の爪』は、『天使の牙』の続編である。
『天使の牙』では、アスカ誕生の秘話をベースに麻薬組織の壊滅を果たすというストーリーだった。仁王という男の刑事とのパートナーシップと恋愛が、身体が代わった後にどうなるのかという心理的なサブストーリーもあった。
『天使の爪』では、もちろん最初から脳移植後のアスカが出てきて、いきなりドンパチが始まった。だけど、これは前説で、メインストーリーが同時にゆっくり進み始める。実は、アスカ以外に、もう一人、脳移植を受けた男が現れるのだ…
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第一クールのときは、本を読むと頭が痛くなってどうしようもないくらい、貧血があった。
実際、図書室から借りてきた大沢在昌の『秋に墓標を』を途中で投げ出してしまった。2週間の貸出期間内に読むことはできなかった。
今回は、比較的緩やかに血球減少が始まっているので、一気に読んでも頭が痛くならない。昨日、買ってきたばかりの『天使の爪』もガンガンと読み進み、上巻のかなりのところまで読み終えた。
集中して読んでいると、心は完全に本の中に入り込んでいる。アナザーワールドで浮遊していると、現実の様々なことを忘れてしまう。
これだから読書はやめられない。
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