外出許可が出た。
10階フロアの内なら動き回っていいといわれた。
もちろん、マスク着用で入室・退室の前後には、うがい・手洗いを実行しなきゃならない。エレベーターに乗ったり階段を使って他の階に行くのは、固く禁じられた。
別に新しい刺激があるわけじゃない。
病院の中だから変わり栄えはしない。
だけど、この狭い個室の外に自分の行動範囲が広がった。
同時に、自分の心のキャパも広がったように思う。
やっぱ、最近の俺の日記、心の狭さが表現されていた。
どうでもいいこともすべてさらけ出したし(笑)
ただ、すべてさらけ出すことで、
0.5%の人から応援してもらえるのであれば、それもありかな…?って思っている。
だって、骨髄バンクの登録者目標30万人っていうのは、登録可能世代人口6,000万人の0.5%に過ぎないわけだしね。
理論上、99.5%の人に嫌われても、0.5%の人に応援してもらえれば良いんだ。
そうすれば、俺と同じように血液疾患に苦しみ、造血幹細胞移植が必要な仲間たちの多くが助かる可能性が高くなる。
きっと、俺の毒をかけられた対象は、0.5%には入っていないはずだから。…入っていたとしても、俺と同じHLAではなかったことは明らかだしね。
このまま、さらしておくよ。
でね、
昨日は、念願のシャワーも許可された!
抗がん剤の治療開始以来だから、多分、47日ぶり。
全裸になって石鹸で身体を洗えるって幸せだね。
鏡に写る自分の姿は、本当に貧弱になっちゃったけど、鏡の中の自分と裸で話をしてきたよ。よく頑張ってきたなって。自分で思う。頑張ったよ、俺。
本当はさ、人一倍寂しがり屋なんだよね。狭い空間に閉じ込められてじっとしていることが苦痛でしかたなかったんだよね。
でも、運命だから仕方ないけどさ(笑)
夜には、反対側の窓の夜景も見てきた。
高層の建物や道路照明がたくさんついていて、きれいだった。
海側のほとんど光のない景色とはまるっきり違う人工の光が、たくさんの人間がそこで生活しているということを主張していた。
都市って、ものすごいエネルギーを消費しているってことを実感した。
今の自分はその一部なんだな…とも思った。
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