アリが家の中にゾロゾロと入ってきていた。何が原因なのかを突き止めようと、家の中を這いつくばって、アリのあとを追跡した。
アリたちの家への侵入口は、大きく分けて二つあった。一つは、玄関脇のサッシの隙間、もう一つは、部屋の柱の隙間。とりあえず、その二箇所に接着剤でコーキングしてやった。退路を断たれたアリたちは、行き場を失い右往左往していた。
侵入路を発見することはできたのだが、肝心のアリたちの目的地(=エサ場)が発見できない。床下に存在するであろうネズミかヘビかの死骸に向かっているのだろうが、アリの隊列が突如として畳の中に潜って、そこから先への状況がつかめない。
・・・と家の中をアリの目線で観察していたところ、来て欲しいといわれたので居間へ。
洗濯物をたたむのを手伝って欲しいと言われたので手伝っていた。
『たたむのがヘタでもタオルくらいたためるでしょ。』
「はいはい。」
「アリの侵入口を塞いできたよ。」
『あぁ。そう』
『(・_・)......ん?また、廊下の電気をつけっぱなしにしてぇ!(`ヘ´)』
「ぇ゛。だって、ちょっと来いっていわれたから、すぐ来たのに。」
『なんで、そうすぐに怒るの!いつもそう!』
「へ・・・?」(ムキになって怒っているのはキミでしょ?)
『もう、こんな家嫌だ。我慢できない。出て行く!』
・・・と子供を連れ去ってクルマでどっか行っちゃった。
【Referer】
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