2003年04月25日(金) |
J−POWER CUP 第2日目
|
【J−POWER CUP 第2日目(4/25金)】
J−POWERカップ2日目は、スラローム。 前日のGSで、1本目のラップを刻みながら、2本目に調整しすぎてしまった吉岡大輔選手の滑りに非常に興味が湧いた。また、同じく前日のGSで、2本目のラップを奪った渡辺拓也(新発田商高1年、黒崎中出身)がどんなスラロームを見せてくれるのかも楽しみだった(ちなみに、渡辺拓也選手は、32番目スタート。)。
■男子回転 1本目スタートリスト
01 山崎 純 小賀坂SC・・・・15.15 02 荒井 智隆 山之内中 03 山田 春貴 草津中 04 鶴渕 優利 湯沢高 05 竹田 征吾 小賀坂SC・・・・2.54 06 高橋 昌道 白馬中 07 荒牧 健太 沼田高 08 佐藤 栄一 専修大 09 吉岡 大輔 チームJWSC・・・0.37 10 目黒 智紀 六日町高 11 福崎 翼 十日町高 12 武田 力 チームJWSC 13 渡辺 靖彦 日本大・・・・・6.52 14 星 隆裕 専修大・・・・・9.66 15 五東 哲 東洋大 ・ ・ ・
※男子スタート時ベスト5中4人がシングル。吉岡大輔選手は、0.37! まじ、凄いリスト。普通のB級では考えられない。
■女子回転 1本目スタートリスト
01 堀米ちひろ 山之内中 02 山崎 香里 菅平中 03 宮 里美 東大和市立第三中 04 戸丸さおり 沼田女子高・・・46.85 05 金子あゆみ 八海高 06 萩原 南 片品中 07 上重美沙紀 八海高・・・・・34.11 08 小日山裕美 新発田商業高 09 春原 優衣 山之内中 10 星 瑞枝 上越高・・・・・0.89 11 下村 沙織 嬬恋西中 12 池田沙也加 野沢温泉中 13 田辺 雪絵 安塚松之山高 14 滝下 樹里 日本大・・・・・0.00 15 広井 法代 チームJWSC・・・8.00 ・ ・ ・
※女子選手には、SAJの0.00!滝下樹里選手が登場。 瑞枝も0.89。スタート時ベスト5にシングル3人が入る夢のようなリスト。
男子スラローム1本目。前日に引き続き霧が深く4旗門先がやっと見えるようなコンディションの中、レースは進行した。
私は、20旗門前後の3旗門が受持ち旗門だった。緩斜面の終わりごろから急斜面の入り口が見えるか見えないかの地点である。各県コーチが陣取る絶好のビューポイントに最も近い旗門員だった。
レースは、まず、1番スタートの山崎純が44.98でゴール。このタイムが基準となった。 2番途中棄権、3番46秒台後半タイムの後、今季全中2種目2位の実績を持つ鶴渕優利(湯沢高1年、湯沢中出身)が4番目にスタート。期待通りの滑りを見せて、45.52。結果的に1本目9位に食い込んだ。 そして、前日、テクニック(?)を駆使しすぎて12位になってしまった(!)竹田征吾選手が5番目にスタート。美しい、そして速い、技術選の整地小回りよりずーーーっとスタンスの狭い(!)スラロームを見せてくれた。タイムは、43.45。結果的にこれが1本目のラップになった。 あとは、9番スタートの吉岡大輔が44.57、13番スタートの渡辺靖彦が44.33、14番スタートの星隆裕が44.45と順当な上位陣を形成。レースは、淡々と進行していった。
霧が出て、太陽光線が直接雪に当たらないので、コースもこの時期のレースとしては荒れも少なく、最高の条件となった。このため、各選手も思いっきり突っ込んで、ポールはグラグラ〜〜〜。私の受持ち旗門は、ストレートの出口でそれなりにスピードがアップする場所だったので、選手が通過するたびに、斜めになったポールを直しにいった。男子のセットには、前に説明したコロ付きポールを使ったのに、第1シードを滑り終えた頃には、コロたちもグラグラ〜〜〜となってきていた。
SAJのリザルトを見てもらえばわかるのだが、今回のレースの出場者は、男子138人、女子70人(スラロームは69人)。
出場選手のほとんどが全国大会出場経験者。したがって、男子選手の場合だと、100番以降にも全中選手が滑った。レース後は、綺麗な縦溝が出来上がっていた。
そんな中、愛知、山梨、岐阜の選手たちは、比較的身体が小さく、スキー操作もまだ慣れていない選手が多かったように思う。スラロームは、技術差がGSよりもあるように感じた。また、慶応大学の選手たちは、GSでは、スタート順に比べ、かなり順位を落としていた。全中選手が本気で滑ると、パンピー大学生ではやはりかなわない。でも、スラロームでは、ほぼスタート順の順位を確保していたように思う。つまり、スラロームのほうが、老練な技というか、慣れというか、そういったものが影響するのではないかと思った。
さて、男子1本目が終了した時点で、旗門員きゅっ。を呼ぶ場内放送が入った。
私、いったい、何か悪いことでもしたんだろうか? 選手の通過の際にでも邪魔になったんだろうか? どこかの県から抗議が来たんだろうか?
不安な気持ちを抱いたまま、ゴールテントへ滑り降りた。滑り降りる途中、他の旗門員から、何をやらかしたんだ〜〜〜と嘲笑を受けながら・・・。
ゴールテントには、男子主審の長野県チームキャプテンが怒ったような顔をして待ち受けていた。
(O.O;)(o。o;)ドキドキ
ゴールテントに待ち受けていた主審は、私にこう言った。
『ビブ32は、ゲートナンバー21で明らかにカタハンだと思うのですが、ジャッジペーパーを書かなかったのは何故ですか?』
「・・・。(ぁ)。」
やっぱり、渡辺拓也は片足不通過反則だったのか・・・。
実は、32番スタートの拓也は、前日GSの2本目のラップをとっていたので、調子が上向いていると感じていた。なので、拓也のスラローム1本目には注目していた。その拓也が21番ゲート右ターンを通過したとき、一瞬、脚が大きく開いたのだった。カタハンか?とも思ったが、どうもポールの動きがカタハンのときとは、違って見えた。さらに、私は拓也の後姿を見るような位置に立っていたので、はっきりカタハンとジャッジできなかった。
疑わしきは罰せず。ましてや、これは、ポイントレース。そして、カタハンすると、普通、本人はわかるし。拓也は、何事も起きなかったように滑り去っていったので、これでは反則キップを切れないと考えた。
また、霧も濃かったので、各県コーチたちからは、わかんないだろうと(^^;;;
「あれは、カタハンでは、ないと思います。多分、ポールが叩かれた部分の掘れに脚をとられたんだと思います。」
精一杯の反論をしてみた。
『いや。あれは、絶対カタハンです。カタハンということに決定しますが、よろしいですね。』
有無を言わさない強硬姿勢。渋々了承するしかなった。
でも、主審クンは、白馬チームの選手について、ビデオをとっていて、同じような失敗をやらかした選手にはビデオ判定したクセに、拓也については、自分のところの選手じゃないのでビデオをとっていないからカタハンに違いないという。
まぁ、主審と旗門審判員の判断が食い違った場合は、当然、主審の判断が優先されるし、それほど拓也に肩入れする義理もないので、あまり食いつかなかったけど。
ゴールテントでの説明を終え、旗門の持ち場に戻るためにリフトに乗ったら、偶然、藤岡憲人(六日町高2年、小出中出身)が一緒に乗ってきた。
「拓也、カタハンだって。主審に呼び出されちゃったよ。」
『ぁぁ。拓也ももしかしたら挟んだかもしれないって言ってましたよ。』
(゚゚;)\(--;)オイオイ ナニイッテンダヨ
挟んだと思ったら止まれよ〜〜〜!
※32番渡辺拓也ゲート21番片足不通過反則についての補足
一応、拓也が通過したあと、ポール際に行ってラインを確認してみた、私。でも、内スキーが跨いでいるラインは確認できなかった。 また、私の下隣の旗門審判員の佐藤洋一さん(アクシオム校長)に確認を取った。カタハンですか?どうですか?・・・と。
洋一さんは、カタハンではないと思うと言ってた。つまり、選手を背面からでなく、正面から見ていた旗門員も通過ではないか(!)と判定していたのだ。
やはり、新潟県の選手だから失格にされたのではないのか?という疑問が今でもある。ちなみに、男子SL主審の彼は、前日のキャプテンミーティングの際に、出来レースはおかしいと激しく主張をしたとかしないとか・・・。
ゴールハウスでの説明を終え、リフトで持ち場に戻る間に、既に女子1本目のスタート時間が迫っていた。
女子の出場選手は、日本女子エースの広井法代、SAJ0点の滝下樹里、トリノオリンピックのエース候補の星瑞枝という豪華キャスティングである。彼女たちに、前日優勝の上重美沙紀がどのような戦いを挑むのか、他の新潟県選手がどこまでポイントをとれるのか、全中優勝の東京の宮里美ってどんな滑りをするのか、そして、マリは、SAJナンバー5で100点を切ることができるのか。
いよいよ、女子1本目のスタートである。
女子スラローム1本目。私が最初に注目したのは、3番スタートの全中スラロームチャンピオンの宮里美選手(東京東大和市立第三中)。ノルディカで武装した彼女、スキー操作は派手さはないが、とても滑らか、まさに無駄がないスムーズなスキー。48.21。
これを抜いてきたのは、5番スタート、金子あゆみ(八海高1年、小千谷中出身)。緩斜面を誰よりも攻撃的に攻める。ワンターン、ワンターン、息を『ウッ!ウッ!』と吐きながら気合も充分。タイムは、48.05。
7番スタートは、前日GS優勝の上重美沙紀(八海高2年、堀之内中出身)。スムーズな腰の高いスラロームであゆみを上回るタイム。なんと46.67。
10番スタートに星瑞枝。46.59。結果的に1本目のラップ。14番の滝下樹里。さらりと47.83。15番に広井法代。セカンドラップ、100分の1秒遅れの46.60。・・・と、まぁ順当な上位陣を形成した。
女子の場合、上位をウチで練習してる選手が過半数を占めてるぅ〜〜〜ちょっと自慢してしまった。(#^.^#)
そこへ、さらに、17番スタートの新保優が47.92で飛び込んできた。凄ッ。まさに進化は止まらない・・・。
今回、大会期間中、役員は、麓の折立温泉から通っていた。朝は早かった。前日の酔いがまだ抜けきらない6時に朝食、6時半出発、7時にリフト乗り場、7時半に山頂レストハウスに集合というスケジュールを2日間、こなした。
ところが、山頂レストハウスで、ブイブイ登場してきたオヤジがいた。
あのウメハラレーナのお父上ざます。
このオヤジ、曰く、
『シルバーラインが交通規制じゃないんだったら、役員のように麓に泊まれば良かったなぁ。』
(みどりの学園に泊まれたほうがラッキーじゃないのか?たとえ麓に下りても、この田舎で貴方様が遊ぶようなところはないぞ!)
『新潟県は、インフォメーションを全然流してくれねぇ〜〜〜んだもんなぁ。なってないよ、まったく。』
(おい!シルバーラインの交通情報って、流れてるぞ!)
『新潟県に来たので、杵ちゃんに気を使って、アトミック履いて来たんだよぉ。』
(杵ちゃん=元ジャパンDHチーム、アシックスウィンターの杵淵隆さんのことね。私の高校のときの先輩なんだけど・・・って関係ないか。それより、レーナは、ロシだろう?なんで、弟は、アトミックなのかしら?)
・・・と、まぁ、我物顔だった。山頂にいたのは、過去の人たち(笑)で、それも、基礎畑の人(各スキー学校校長など代表者が多い。)で、レーナのことすら知らない人が多かった。なので、なんなんだ?このオヤジ・・・っていう顔をしていたよ、ほんと。
ぁ。ちなみに、弟(メイ大ナカノ高)、結構頑張ってた。GSが24位、SLが2本目途中棄権だった。
さて、女子スラローム。一本目61番スタートのマリ。池の平SGが終わってから全くスキーを履いてなかった、彼女。でも、月曜から奥只見に入り、火曜、水曜の県高校大会の前走と第4リフト脇での中体連のトレーニングでそれなりに滑り込んだようだった。前日のGSは、タイムこそ伸びなかったけど、急斜面でも身体が遅れるようなところもなく、上手くなったなぁ・・・と密かに喜んでた。上手な出場選手ばかりなので埋もれてしまうけど、いい感じなんじゃないの〜〜っていう感想だった。
そのマリの1本目だが、緩斜面をそこそこ無難にこなしてきた。上位選手との大きな違いは、板の踏み込み、気合い。無難にこなしていただけじゃ、ステップアップできない。板を踏み込んで、身体を傾けて、加速するという動作が不可欠だ。まだまだそのレベルにはない。
私の受持ち場所からは、急斜面は見れないが、急斜面はどちらかというと安心できた。それほど差がつかないレベルまで上がって来てると思ってるから。
結局、1本目のタイムは、ラップの瑞枝から遅れること8.77の55.36で47位。
こんなもんだ。100点をまだ切ってない選手だし。 それよりも、2本目も完走してくれ〜〜〜という気持ちでいっぱいだった。
ここで、いきなり、男子スラロームの結果。
■ 男子回転 1本目スタートリストから
SUM -B- 34.24
■ 男子回転 結果
01 05 竹田 征吾 小賀坂SC・・・ 2.54 0.00 02 13 渡辺 靖彦 日本大・・・・ 6.52 5.25 03 14 星 隆裕 専修大・・・・ 9.66 7.10 04 09 吉岡 大輔 チームJWSC・・ 0.37 10.36 05 08 佐藤 栄一 専修大 06 01 山崎 純 小賀坂SC・・・15.15 17.47 07 11 福崎 翼 十日町高 08 06 高橋 昌道 白馬中 09 04 鶴渕 優利 湯沢高 10 23 田代 剛 六日町高 11 15 五東 哲 東洋大 12 10 目黒 智紀 六日町高 13 07 荒牧 健太 沼田高 14 27 鈴木雄一郎 八海高 15 26 樋口 直秀 東洋大 ・ ・ ・
SUM -A- 34.24 SUM -C- 40.18
(A+B-C)/10=(34.18+34.24-40.18)/10=28.30/10=2.830
ペナルティー計算値 2.83 ミニマムペナルティー 8.70 採用ペナルティー 8.70
※ペナルティー計算値は、2.83!凄ッ!ただし、一般参加選手の持ちポイントからいって、竹田征吾さん、ちょっと飛ばしすぎじゃない?w まさか、GSの腹いせに本気で滑った? 渡辺靖彦選手と隆裕もやや本気モードっぽいなぁ。 吉岡大輔選手のみ流してくれたって感じかしら?
それにしても、男子のスラロームは凄まじいものがある。あの重たいコロごとポールが吹っ飛んでいく。ポール上部の黒いキャップは、いくつもが粉々に破壊され、折れたポールもたくさん。そして、アタックするときの音は、速い選手と遅い選手では全然違う。リズムも違う。タイム差以上に、速さの差を感じた。
また、竹田征吾選手の滑りが美しいと書いたが、正直、吉岡大輔選手には日本人好みの滑りの美しさを感じなかった。なんというか、後傾姿勢のまま。太腿でクネクネ動かしていくような私好みでないスラローム。例えていうならジョルジョ・ロッカがさらに後傾になっているような感じ。これが最先端の滑りの一つなのかなぁ?佐々木明選手とは明らかに違うテクニックのような気もするけど。
さて、1本目も2本目もストレートの出口担当だったので、つぎつぎと選手が通過するその直前までポール直しを続けていたのだが、私の持ち場のポールたちもヨレヨレになってきた。そこへコース係の皆川安寿香先生(賢太郎選手姉)がコロ用のぶっといドリルを持って登場!
(・_・)『次の選手の通過後、穴を開けなおします。』
(^_^)/「はい!」
皆川先生のその鍛えられた身体からオーラが出ている。う〜ん、カッコイイ!(実は、隠れファンの私。)選手が通過する30秒間隔の間に、手際良くドリルで直径約20センチの穴が開け直された。
(・_・)『ポール、お願いします。』
(^_^)/「はい!」
思わず、次の旗門直しへ向かう皆川先生の姿に見とれていた。
男子2本目が行われているときに女子2本目のインスペクションがあった。男子と女子のセット間の間隔から、女子のコース上で男子2本目の旗門審判をしていた私は、右斜め後方から鋭い視線を感じた。そちら側を見ると、白い顔がヌーーーッと現れて・・・
「(゜□゜)ぎょぇ、バ○゛ァ〜〜〜!」(声にならない叫び声を押し殺し。)
そこに現れたのは、広井法代選手。顔が妙に白くてウーパールーパー ミ@_@ミ のように離れている大きな目が強調されて、私は本当に恐かった。(素ピンは結構かわいいと思う:ちょっとフォロー)。思わず叫んでしまいそうだった。でも、招待選手に対して、世界の広井法代に対して、それは失礼ってもんだ。腹の底からグッと堪えた。それにしても、あの不気味さはいったい(失礼!)。1本目のときは気付かなかったのに。。。
さて、今回、なんとフリップ30がGSも含めた男女全レース採用されていた。発展途上の選手で30番に食い込んでこれる選手にとっては、とてもいいことだ。1本目30番と31番ではコース状況に天地の開きがあるから。30番に入った選手は、本当にラッキーだ。
その30番以内にアキちゃん(松之山中:ビブ46番から一本目29位)とマナミちゃん(長岡南中:ビブ42番から一本目20位)が入ってきた。アキちゃんは、NSAポイントレースのGS2本目でマリの次にスタートして、私が途中棄権してしまったマリが来たと勘違いしてしまった選手。
マリもこれくらいのところで滑れればいいのになぁと思ってみても、滑るのは私ではないし。しょうがない。
【過去のエントリー】
【Referer】
|