田舎から上京してきた母と妹に連れ添って、 アンティークビスクドール達の集う、人形展を観に銀座の下町へ行って参りました。 地下1階のその空洞とも言える広い空間はひんやりと薄暗く、 沢山の古い着物と共に彼らは綺麗に並んでいた。
オペラ調の聖歌が流れたと思ったら、今度はゴスロックが響き渡り…何とも異様な空間。 ドリンク券代わりに配られたのは花札。 ゴシックで耽美な雰囲気は大好きだけど、私にとってそれは日常ではなく。 普段なら絶対迷い込めない場所。
‐‐‐‐‐デモココハ、ソレガアタリマエニナル場所‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
半世紀から一世紀以上昔に作られた人形達は、服の風化もとっくに始まってる。 なのにどうしてかしらね。 なんていい顔なのかしらね。 色んな国の色んな時代から産まれたお人形。 自分に産まれたことを私達より幸せに思っているんだろうか。 今の御主人様にこんな風に、お披露目して貰えて。
日本人形達の前で、私は遠い昔のトラウマに似た感覚が蘇った。 私は幼い頃、実家の客間に飾られてた大きな五月人形が怖くて、 その部屋の隣にあるトイレに一人で行けなかったのだった(涙目) 世にも奇妙な物語で「人形が泣く」話しを観たのがいけなかったのだろうよ…勘弁して。 懐かしさからくる動揺で半分涙目になりながら、私は改めて彼らを見つめた。
昔怖かった世界って、今思うと好きになったものが多いかも。 昔よく「みんなのうた」で、『まっくら森のうた』とか 『メトロポリタンミュージアム』っていうのが流れていて、 それが画像とともに怖い童話のような感覚で残ってるんだけど、 これ思うの同世代で私だけじゃないはず。 少なくとも私の周りは皆そうで、また見たいよねぇって話になる。
そう、そして、カラオケで探して私は歌った!!(爆) 「まっくら森」だけはハイパージョイに入ってた!!(興奮) 話しズレました。(でもこれポイント←!?)
今回はアンティークドール以外にも、現在活躍中の人形師さんの作品も飾られていて、 私達家族が好きな人形師さんの作品もあった(それが目的なのもあった)。 四谷シモンさん、恋月姫さん、天野可淡さんなど。 恋月さんの人形は、以前コンクールの絵のモデルにさせて貰ったほど。 人形の表情や、指、足の先までも生きてるみたい。 キレイ。大人になりかけた少年、少女のお人形。 どこか病的な臭いさえする。だから惹かれるのかな。
そういえば友達が人形作るって言ってたなぁ。どうなったんだろう?
リアルなのにリアルでない。 ありえない顔、ありえない体制、ありえない長さ、 全てがここではありえるもの。 お人形の世界でありえるもの。
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