農業用ため池の水を使って8aの水田の代かき作業。 普通の年の田植えなら15日頃には全部終わっているのだが、今年は水不足に加えて昨年の災害で傷んだ農業施設の復旧工事が滞ていて、「我田引水」が出来ない状態が続いていた。
復旧工事は水路を塞いだ状態で行っていたので、工事が終わるのを待っていたのだが、一向に終わる気配がないでの、(痺れを切らし)昨日のうちに今日は通水しますと工事業者に通告していた。
しかし、工事現場に来てみると現場はほったらかし状態ではないか。 しかたなく、工事で塞いだままとなっている現場の水路を自分で復旧。他の、災害復旧予定ヶ所でまだ手つかず状態のところは、これもまた自分で応急的に直してやっとのことで通水。その間炎天下の2時間。 やれやれと、昨日代かきした田の田植えに取りかかろうとした途端に、「水が水路からこぼれて私とこに入っているの何とかして」とのお叱りの電話がかかった。 通水量を少なくしてこぼれは少なくしたのだが、その分田に水が溜まる時間は大幅に遅れる事となる。 夕方、代かきをしていたら、くだんの電話の主が来られて「あそこ工事する事になっているのに遅れていうそうだけれど、取り合えずでも何とかするように言って下さい」とおっしゃるではないか。
農業施設の災害復旧工事を請け負った土木業者が、田植え時期までに工事が終わっていれば、田の準備も今日まで延びる事もなかったし、ましてや工事で塞いだままの水路を炎天下に自分で直してまで「我田引水」することもない。おまけに、水をこぼすなとお叱りを受けることもない。
聞けば、この工事についての改良区担当役員さんも、矢の催促をしてくれているとのことだった。
同じため池を使って水田を作っている方が様子を見に来たので、「人に先んじて仕事なんかするもんじゃない。業者の尻拭いしておまけに怒られて。議員も怒られるのも仕事のうちだけどあわんわ」と言うと、にこにこ笑っている。
「それは一色さん、明日市役所に行って業者を指導するよう担当にきつうに言うとかんかい」
我田引水一苦労。そんなにまでして農業することもないのだが、荒れっぱなしの田を見るのは気持ち悪いし、作物が育つのを見るのは楽しいし。 根からの百姓一人ここにあり。
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