2002年07月02日(火) |
国会議員・知事・県議所得一覧記事の影で |
今日7月2日付けの多くの新聞紙上には、国会議員・知事・県議の昨年度年間所得が掲載されている。今回は誰が一番所得が多いか、その額は内容は等々何ページにも渡って特集しており、いやが上にも興味をそそられる。 政治家と金にまつわるこれまでの不祥事の反省から、このような記事が大見だしで提示されるようになった事は、それはそれで社会情勢のおもむくところであり、政治に対する市民の興味を喚起する意味でも有意義な事なのだろう。 だが、私の目を釘付けにした記事は、そんな大見出しの記事ではなく、「小規模市町村のあり方など論点」「地方制度調査会まとめ」との見出しの付いた小さな記事だった。 この調査会の大きな仕事内容は、合併しないまま残る小規模市町村がどのように自立し、住民サービスを維持していくか、そのための論点を整理し将来の有り様をまとめることだ。 地域住民の生活に直接的な関わりを持つ基礎自治体の有り様を検討する作業を紹介する記事が、なんでこんなに小さな扱いにしかならないのかと、憤りを覚える。 6月3日発行の地元紙の一面には「小規模市町村権限を縮小へ」「地方制度審査会近く審議」との記事が掲載され、かなり詳しく内容が紹介されている。 私は、このような動きが本格化してくると、現在の合併騒動が沈静化してくるのかと思い、6月議会での一般質問の項目にも加えたのだけれど、大方の見解は違っていた。 その見解とは、「政府は、小さな自治体から権限をはぎ取ろうとしているのだ。だからそうなる前にさっさと合併しろ」と言っているのよ。というものだった。 基礎自治体の有り様を話し合う動きについて、あまりの夢のない見方に出会い、私は愕然としたのだった。 だが、それでもこの様な動きがあることを大きく報道して欲しいと思った。多くの読者が関心を持つ内容でなくても、自分達の町の有り様を考える一つの情報として詳しく提供して欲しいと思った。 何千万という数字が羅列された所得一覧の紙面を眺めながら、私はそんな事を考えていた。
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