華のエレヂィ。〜elegy of various women 〜
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2004年03月05日(金)

午前1時の情事。 〜私の番〜


<前号より続く>



俺は瑶子をうつ伏せに寝かせて、俺はグラスの氷を咥えた。

そして咥えた氷を瑶子の腰から尻に掛けて滑らせる。


 「はあぁぁぁん・・・あ、ああ・・・」
「冷たい?」

 「冷たい!けど・・・変な感じ」
「変な感じ?止めようかな?」

 「もっと、して・・・」


『ナインハーフ』という古い映画があった。


男が氷を相手の身体に滑らせる愛撫のシーンがあまりに有名で、
過激な性設定や性描写から、その当時も問題作として扱われた。

それゆえ今でも名前が残るほどの作品だ。


あの筋書きは、あの愛撫シーンは、あながちデタラメではなかったようだ。
瑶子は丸い尻を浮かせ左右にくねらせて、氷の愛撫に答えている。

そしてその滑らせた氷の跡に残る解けた水を舐め、吸い取るように
俺の舌を這わせる。

瑶子の性感帯を探し出すように、擽るように。


冷たい氷と、温い舌先。


瑶子は無意識だろうか、うつ伏せで腿を開き気味にして
より深く快楽を受け入れようとしている。

氷を再び口に含み、乳首を吸い、転がす。

敏感な部分だけに、その冷ややかな刺激だけでも
シーツを鷲掴みにして、喘ぎ声を殺して興奮している。


 「こんなの、初めてぇ・・・いいのぉ」


瑶子だけじゃない。俺だってこんな愛撫は初めてだ。


Sexに大切なのは、直接のいわゆるテクニックだけでない。
応用力や探究心、そして創造性が大切だ。

そしてこの発想を導き出すのが、『相性』なのだろう。

単に女の身体で男自らの肉欲を満たす行為がSexではないのだ。
相手の心身を思いやり、相手にさらに深く快楽に酔うよう導くのが、
きっと人間のSexというものだと思う。


 「平良、今度はあなたが仰向けになって」


完全に上気した瑶子は俺にそう促す。
俺は言われる通りに仰向けに寝た。


 「今度は私の番なんだから・・・」


瑶子は俺の腰の上に跨り、自ら俺自身を手にとって、腰を沈める。
いわゆる騎乗位だ。

俺自身が彼女の深奥を突く。
瑶子はうめきながらゆっくり背を反らせた。
軽くウェーブの掛った髪がふわっと背中に流れる。


 「私が上だとね、男の人が喜ぶの・・・」
「凄く気持ち良いよ・・・瑶子は?」

 「ああん、聞かないで・・・」
「やだ、言ってくれなきゃ萎えちゃうよ」

 「イヤ・・・」


瑶子は身体を前に倒し、俺の耳元で囁いた


 「凄く気持ちいい・・・よ」

 
俺は瑶子の腰を両手で掴んで、俺自身を下から二度三度と突き上げた。


 「ふぅ、イヤぁ!」
「嫌?」

 「・・・嫌じゃないけど、イヤ・・・」


冷静さを欠く瑶子の姿が可愛い。
瑶子は再び騎乗位で背筋を伸ばしたものの、また枝垂れかかる。


 「もう・・・ダメ、力入んない」


俺は繋がったまま体勢を入れ替えて、俺が上になった。
瑶子の両腿を大きく持ち上げ、屈曲位になる。

快楽の度合いに合わせて、瑶子の鳴き声が一段と強くなった。 
俺も瑶子に突き入れる俺自身が無意識に速くなるのが分かる。


 「ダメェ、また、またイッちゃう・・・」
「何度でもイッちゃえ、俺なら幾らでもイカせてやるから」

 「平良、一緒に来てぇ・・・私に出してぇぇぇっ・・・!」


瑶子は俺と一緒に達したがっていた。
俺は一段と深く、早く律動した。
スキン越しに、俺自身の亀頭のくびれが瑶子自身の粘膜を、
潤沢な粘液を、柔らかい肉を擦り上げる感覚が分かる。


 「ダメ、もう我慢できないぃ・・・!」
「まだ駄目だよ、俺はまだイケないから」

 「我慢できないよ、我慢できないよ!」
「我慢して、まだ絶対イッちゃダメ!」

 「・・・・ぁぁあ、もう、もうイッちゃうぅぅ!」


静かな部屋の中。
そう瑶子は一際高い声で絶叫した。
その声に感じた俺は、思わず暴発してしまう。

一緒に絶頂に達した。

俺の下で、数秒間の痙攣。

一時の静寂の後。
しばらく繋がったままじっと抱き合っていた腕の中で、
瑶子は再び声を殺して泣いていた。

どんな思いで瑶子は涙をこぼしたのか、
まだ薄弱で軟弱な生き方しかしていない俺には思いもつかない。

彼女の深く濃い人生の思いが詰まった雫が幾筋も目尻からシーツへ伝う。

俺は黙って抱く腕を強めた。

 「ゴメンね・・・」

瑶子はそう言ったきり、静かに涙をこぼし続けた。




 「大丈夫?帰れる?」
「子どものお使いじゃないんだから(笑)」

 「だって、遠いから心配なんだもん」
「大丈夫、遠いうちには入らないって言ったでしょ?」


瑶子の部屋からの帰り。
俺は再びコンビニまで送ってもらった。

約3分間の車中、そんな会話を繰り返す。 

そして俺は駐車場で車から降りた。


 「ねぇ、また・・・会ってくれる?」
「・・・そんな、こちらからお願いしたいよ」


瑶子の懇願に、俺はそう答えた。


「携帯の番号も分かったし、メールも送れるし。また連絡する」
 「いつくれる?」

「じゃ、帰宅したら『ただいまメール』送るよ(笑)」
 「それなら安心だね、待ってる(笑)」


濃厚な一夜だった。
午前4時半を過ぎた高速道路。
すでに明るくなっている界隈は、必要最小限の街灯だけが残り、
普段見慣れた街並みとは違って見える。

しかしたった4時間後には、今日の仕事が待っている。
心地良い疲れと、文字通りの罪悪感。


俺は帰宅してから約束通りメールを瑶子に送り、小一時間ほど仮眠する。
その日の仕事は、辛かった。


睡魔と格闘していた昼過ぎ。
瑶子からメールが届いていた。


 『無事帰ったんだね。お仕事お疲れさま。
  今日は昼まで寝ていました。
  今も平良との余韻に酔っています。
  また会いたいな・・・』


眠気が少し覚めた俺は、返事を打つ。


 『メールありがとう。
  ぜひまた一緒に楽しい時間を過ごしましょう。
  今度はいつ都合が良いのか、教えてね』


間もなく、再びメールが届く。


 『来週の水曜日。また遅くなるけど良い?
  私はその方が都合いいんだけど、平良が辛いよね?』


俺はこう返事を打って、携帯を閉じた。
 

 『じゃ、来週の水曜日の深夜に決定!』



<以下次号>








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