先日、映画関係のプロデューサーや監督と雑談していて、わたしが引っ越した話をしたところ「脚本家今井雅子の家にはコレがある!という目玉を作るべし」と言われた。
堂々たるウォーターベッドが鎮座ましている、とか、
雄々しいドーベルマンを飼っている、とか。
「うちは、観葉植物がたくさんありますけど」と言うと、
「そんなんじゃインパクトがない」とダメ出しされ、
「5歳の娘がアフロのかつらをかぶせてくれます」と言うと、
「もっとこう、作品と直結した何か!」を求められ、
「鉄板をデスクにしているとか、ワインクーラーならぬ豚まんクーラーがあるとか」という話に落ち着いた。
豚まんクーラー? なんじゃそりゃ。
お好み焼きぐらいは焼きますけど。
他の脚本家よりもたくさん持っているものといえば、たぶん、観葉植物。引っ越して以来、ちょこちょこと買い集めて、めざせジャングルな勢いで増殖中。
そんなわけで、テレビ脚本デビュー作「彼女たちの獣医学入門」でお世話になった獣医の石井万寿美さんから新居祝いのリクエストを聞かれて、「観葉植物」をお願いしたら、
どーんと、すごいのが届いた。木陰で涼めそうな立派なパキラの寄せ植え。
百均で買ったサボテンや157円のミニ観葉がちょこまかと並ぶ中に、いきなり大王降臨の風情。
その上にあるのは、ネットで一目惚れして、一家でお世話になっているUさんに新居祝いにリクエストしたmidorie(ミドリエ)。サントリーが開発した軽い素材が土代わりで、水を入れても1キロ足らずという超軽量ゆえ壁にかけて絵画のようにグリーンを楽しめるスグレモノ。
絵画のようだけど日々変化するのが、midorieの面白いところ。わが家にやってきたひと月半前と比べると、ずいぶん成長したのがわかる。
贈ってくださったUさんはご自宅用にもmidorieを買い求められた。「お宅のミドリエちゃんはどうですか?」と育ち具合を尋ねあっている。
Uさんのmidorie、万寿美さんの木、と水やりしながら、贈り主に想いを馳せる。「育つプレゼント」は、贈り贈られる人間関係も育まれるようで、じっくり楽しめる。
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