2009年11月07日(土)  『本からはじまる物語』

読書の秋にふさわしい『本からはじまる物語』という名の本と目が合い、手に取った。

「18名の作家が「本」「本屋」をテーマに掌編小説で競演!」という惹句がついている。

「飛び出す、絵本」恩田陸
「十一月の約束」本多孝好
「招き猫異譚」今江祥智
「白ヒゲの紳士」二階堂黎人
「本屋の魔法使い」阿刀田高
「サラマンダー」いしいしんじ
「世界の片隅で」柴崎友香
「読書家ロップ」朱川湊人
「バックヤード」篠田節子
「閻魔堂の虹」山本一力
「気が向いたらおいでね」大道珠貴
「さよならのかわりに」市川拓司
「メッセージ」山崎洋子
「迷宮書房」有栖川有栖
「本棚にならぶ」梨木香歩
「23時のブックストア」石田衣良
「生きてきた証に」内海隆一郎
「The Book Day」三崎亜記

気に入っている作家さん、気になっている作家さんの作品が「当たり」だとほくほくする。巻頭を飾る恩田陸さんの「飛び出す、絵本」は、さすが。ひとつ前に読んだ長編『MOMENT』で出会った本多孝好さんの「十一月の約束」も好き。この人の書く人と人のべたべたしすぎないけれどしっとりした距離感が好き。ずいぶん前に『プラネタリウムのふたご』という分厚い本でファンタジーン世界に浸らせてくれたいしいしんじさんの「サラマンダー」は、やっぱりいしいしんじ色をしていて、大人の童話という雰囲気。一時期はまった篠田節子さんの「バックヤード」は、本屋の地下に集まる霊たちの正体の設定(ネタばれになるので読んでみてのお楽しみ)が秀逸。

面白いのは、本を「鳥」にたとえた作品が多いこと。ページを翼にたとえた作品もあった。一作目と最後の作品がそうだったので、とくに印象に残ったのかもしれないし、あえてそうした編集者も「本とは鳥のようなもの」だと感じたのだろう。本はページの翼でどこへでも連れていってくれる。

そういうわけで、わたしも本を鳥にたとえた子守話を考えてみた。まとめる時間がないので、後日。

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