ご近所仲間のK家と泊まりがけでマザー牧場へ。K家にはうちの娘のたまより1年上の女の子マユタンがいて、先日食事をしたときに二人が遊ぶのを見ながら「今度はゆっくり旅行したいですね」と話していたのが思いのほか早く実現することになった。K家がよく行くという軽井沢のジャージー牛牧場へ行こうとしたら、牧場の宿泊施設も周辺のペンションも軒並み満室。2日前の駆け込みでは予約が取れない軽井沢人気を見せつけられ、牧場違いで「マザー牧場はどうでしょう」となった。
アクアラインを使うと、あっという間に海を越え、文京区を出て一時間ちょっとで到着。マイカーを持たないので、クルマってこんなに楽なのかと驚く。両家ともマザー牧場を訪れるのは、初めて。宿泊先のコテージはずいぶん年季が入っていて、備え付けの柄つきポットや黒電話は昭和の雰囲気。わたしが勤めていた広告会社が広告を手がけていて、けっこう新しいイメージがあったのだけど、できて50年近く経つらしい。
牧場は、とにかく広い。9月に大阪へ帰省したときに訪ねたハーベストの丘も広々していたけれど、それが5つ6つ入りそう。見晴らしがよくて、空気がきれいで、山に来たという感じがする。広さに加えて夕方だったせいか入場客の姿はまばらで、山頂まで坂を上ったところにあるミニ遊園地は、客よりもスタッフのほうが多いほど。落差一メートルほどのミニ急流すべりでは、誰も乗っていない船をおじさんが所在なげに押していた。娘たちはアンパンマンや電車の乗り物にお金を入れずに乗ってごきげん。大人たちは一人200円のボール当て射的に4人で挑戦し、戦果ゼロ。たまはメリーゴーランドを気に入り、「メリーゴーラン」と言い続けた。
夕食は焼き肉。さすが牧場!というおいしさにあふれていないのが、惜しい。メニューにもう少し工夫があれば、レストラン目当てに来る客が増えそうなのだけど(そこはハーベストの丘に軍配が上がる)。それでもみんなでワイワイと肉をつつくのは楽しく、家で焼き肉をしたことがないたまにとっては新鮮だった様子。寝かしつけるときにK夫人が「今日はクルマに乗ってどこにおでかけしたかな」とマユタンに語りかけていたら、「おにくぼくじょう!」と割って入った。以来、両家でのマザー牧場の呼び名は「おにくぼくじょう」に。
娘二人が寝た後は、大人の時間。ブルーベリーワインを飲み、スナック菓子をつまみ、K家が持って来たドイツの図形パズルに挑戦したり、新聞の旅行広告を見ながら「ご近所仲間で船旅をしたいですねえ」と話したり。
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