3年前まで勤めていた広告会社、マッキャンエリクソンで同期入社したナカジ君が転職することになり、同期を中心にした送別会が開かれた。打ち合わせが長引き、会社が入っている青山一丁目のビルの一階にあるカフェ246に着いたのは、12時前。ビニールカーテンの外を嵐が吹きすさぶオープンテラスでそのまま二次会が続いていて、主役のナカジ君を含めて8人の同期に会うことができた。同期が集うのは、ナカジ君が大阪支社に転勤になったとき以来、約2年ぶり。平成5年に入社したときは15人いた同期もナカジ君が抜けて、あと3人となった。広告業界は入れ替わりが激しく、転職組の中には3社目に移った人もいる。
この同期、すごく仲が良くも悪くもなく、ノリが良くも悪くもなく、恒例の新卒パーティ(新卒社員が企画、主催して社員にパーティ券を売る)も、なんとなくやらなかった。それでいて、誰かが異動したり結婚したりすると、同期で集まろうとなり、会うと楽しかったり懐かしかったりして、また近々やろうよと言いつつ、あっという間に2、3年過ぎる。他社からマッキャンに中途入社した社会人同級生も「同期」に勧誘しているので、同期会を開くたびに、集まる同期が増えていたりする。なんともマイペースな集団なのだけど、そのゆるさが、年を経るごとに心地よく感じられる。内定式や入社式が遠い思い出になるにつれ、同期会は、「ただいま」と帰る場所になっていく。
同期入社のアートディレクターのヒダイ君が、入社して間もなく同期で行った一泊旅行の写真を持ってきていた。FIT(フィット)というスポーツ宿泊施設でテニスをしている皆の若いこと。ピタピタのスパッツをはいて逆立ちしているわたしも、恥ずかしいぐらい幼い。モノクロで撮ってカラーで焼くとセピアカラーになると教えてくれたのはヒダイ君だけど、その手法で焼き付けられたセピア色の思い出が余計に懐かしさをかき立てて、照れくさいような眩しいような思いで、じっと見入ってしまった。
2004年09月19日(日) 2代目TU-KA