エアコンの電源が入らないのに気づいたのは、冷房を入れようと思った日だから、6月の終わり頃だろうか。暖房のときは問題なく動いていたのにリモコンに反応しない。リモコンの電池を換えてもダメで、取扱説明書片手に「強制運転」のボタンを押しても作動しない。本体ごと故障したのだろうか、十年以上使っているし買い替え時なのかもしれない、などと思いつつ富士通ゼネラルのサービスセンターに電話すると、5000円で出張して見てくれるという。その場で直せるか修理に出す必要があるかは見てからの判断になるが、5000円なら見てもらおうという気になった。見るだけで1万円と言われたら尻込みしたかもしれない。オーブンレンジのときは出張費13000円と言われて買い換えた。
脚立と道具箱を持ってやる気十分の修理士さんを出迎え、「もう暑くて困るんですよー」と訴え、何とか今日直して帰ってくださいねとプレッシャーをかけてみる。エアコンのふたを開けて中を点検していた修理士さんが「ブレーカーはどこですか」と聞くので洗面所へ案内した。再びエアコンの元に舞い戻った修理士さんがリモコンを手にすると、「ピ」と懐かしい音が聞こえた。続いて「ブオーン」と寝起きのような唸りを上げてエアコンが動き出した。「ブレーカーがね、落ちてましたよ」。消費税込み5250円の領収書とともに渡された作業報告書の「症状・原因・処理」欄には「●電源入らず ●ブレーカーが落ちていた ●〃を入れる」と記載されていた。「何やっても電源が入らないんです」と電話で症状を訴えたときにサービスセンターの担当者が「ブレーカー」に気づいてくれれば出張費が浮いたのだが、あまりに基本過ぎて聞かれなかったのかもしれない。「今日からは涼しくなりますねえ」と飄々と去って行った修理士さんの仕事ぶりも涼しげで、2007年夏の清涼ネタひとついただきと思うことにする。
「コンセントはちゃんと入ってますよね?」と聞いてくれたサービスセンターも過去にあった。パソコンを打っていたら突然電源が落ちて再起動しても反応せず、真っ青になってシャープに電話したときのこと。はっとして見ると、自らの重みに負けたコンセントが床に転がっていて、問題は氷解。あのときの教訓があったので、今回もコンセントが入っていることは確認したのだけれど、ブレーカーまでは思い至らなかった。エレベーターに乗って、「いつまで経っても動かない! 故障だ!」と緊急ボタンに手を伸ばしかけたら、行き先階のボタンを押していなかったということもあった。電気回路より「故障」とすぐに思い込む思考回路に問題があるらしい。
2005年07月26日(火) トレランス番外公演『BROKENハムレット』
2004年07月26日(月) ヱスビー食品「カレー五人衆、名人達のカレー」
2002年07月26日(金) 映画『月のひつじ』とアポロ11号やらせ事件
2000年07月26日(水) 10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)