何かを訴えようとしているのか、声を発散させることがうれしいのか、たまは小さな体には似合わない大声をよく出す。そのボキャブラリーも移ろう流行のようにお気に入りのフレーズを変化させながら少しずつふえている。とくに意味はないようでいて、こちらが何か問いかけると絶妙なタイミングで声を上げたりするのが返事のように聞こえたりして、それに応えてまたこちらが何か言うと、会話が成り立っているように錯覚しなくもない。そこで、「たまと合同でお話を作る」遊びを思いつき、寝る前にやってみた。
「昔むかしあるところに、たまちゃんがいました。たまちゃんは、お友達と一緒にピクニックへ行きました。たまちゃん、行き先はどこですか」
「ギョエギョワ」
「ギョエギョワ、に行ったのね。お弁当のおかずは何ですか」
「ギョエギョワ」
「これまた同じ名前。ギョエギョワはおいしかった?」
「ギョエ」
「お弁当を食べてから、何をしましたか」
「ヒャ〜」
「ヒャ〜をしたの。楽しかった?」
「モンモンモン」
「そう。モンモンモンだったの」
こんな感じで物語は進んで(?)いく。自分の言葉をわたしが鸚鵡返しに繰り返すだけでも、なんだかうれしそうだ。リピートアフターミーの英語の先生のような優越感を覚えるのかもしれない。
好きな響きといえば、絵本は内容よりは噛み心地が気に入っている様子だけれど、擬音語にはけっこう反応がある。とくに「わたしのワンピース」という絵本の「ミシンカタカタ」が大好き。「ミシンカタカタカタカタ〜」と大げさに読むと、声を上げて笑う。応用編で「たまちゃんコロコロ」のお話を作ることにした。
たまちゃんのたまは たまごのたま
たまごみたいに まんまるだから
コロコロ コロコロ よくころがる
たまちゃん コロコロコロ〜
コロコロ ころがって くるんとまわって
おりたところは すべりだいの上
すべりだいの きゅうなさかを
たまちゃん コロコロコロ〜
コロコロ ころがって どこまでいくの
ボールさんと ごっつんこ
まあるいものどうし いっしょにいこう
たまちゃん コロコロコロ〜
このあたりまで話していると、いつの間にか眠ってしまっている。
おつきさまみたいに まあるいたまちゃん
たのしいゆめを おいかけて
わるいゆめには つかまるな
たまちゃん コロコロコロ〜
たまちゃん コロコロコロ〜
2005年05月23日(月) ミヤケマイ/ミヤマケイ展『花よりだんご』
1979年05月23日(水) 4年2組日記 とみさわくん