2007年02月07日(水)  マタニティオレンジ74 子育て中の美容院とエステ

「お誕生月につき10%オフ」の葉書が届いて、しばらく美容院に行ってないなと思い出す。産後3か月の11月に行ったきりだ。娘のたまをベビーカーに乗せて出かける。赤ちゃんウェルカムな美容院で、前回はたまがぐずると店長さんが抱いてあやしてくれた。今日は店長さんの姿はなく、ちょうど混んでいる時間帯。30分ほど待って順番が来た頃には、たまはベビーカーの中で海老反りをはじめていた。「だっこして切ってもらっていいですか」と無理を承知で聞くと、「はい」と美容師さんはこともなげに言い、「だったらこちらを」と親子スモックなるものを取り出した。上から見ると8の字になっていて、母と子のそれぞれをくるんでくれる。前髪を切ってもらうときに脇で抱く以外は、膝の上に立たせて機嫌を取った。「すぐ済ませますからね」と美容師さんはすごい勢いでハサミを動かす。雑誌も置かれない。シャンプーは省略で、髪の切れ端を流すだけ。美容院で髪を洗ってもらうのが好きなので、もったいない気がする。次回はやっぱり預けてこようかな、と思ったり、預けられるならお茶したい映画観たい、と思ったり。

ところで、前髪を切ってもらっているときのこと。「分け目はどうしますか」と聞かれたので、「つけたら、どうなりますか」と聞いたら、「老け込みますね」と即答された。そんな心配をされたことはなかった。フケ飛びますね、と言われたほうが衝撃は小さかったと思う。老け込むにはまだ早いと思ってたけど、わたしはすでに老け込みますねの境界線上にいるのか、としみじみグサグサ来てしまった。

子育てで一気にガタが来たのもあるのだろうか。なけなしの若さやみずみずしさを、ぴちぴちの娘に吸い取られている。こういうときこそエステなんかに行くべきなんだろうなあ、と思ったので、いつもは途中で切ってしまう勧誘電話に最後までつきあった。「一度お試しいただければ、ぷるぷるのお肌を実感できます」なんて言われて激しくうなずいたものだから、戸田恵子似の張りのある声の勧誘員さんもノリノリだったのだけど、「興味ありますか」と聞かれたところで、「赤ちゃん連れでもいいですか」と聞き返したら、はじめて沈黙の間が生まれた。「迷惑ですよね。他のお客様はリラックスしに来られるわけだし」と遠慮すると、「……そうですね。どなたかに預けていらっしゃることはできますか」。美容院と同じで、預けたほうが自分もゆっくりできるのだろうけれど。「子育て中の方にこそ、体験していただきたいんですけど……」。勧誘員の立場ではどうすることもできない。そこからは「もう離乳食ですか」「夜は何時間おきに起きてますか」などと子育て相談電話のようになる。勧誘員さんは子育ての先輩らしく、聞き上手でもあった。「がんばってくださいね」と励まされて電話を切ると、エステほどではないけれど、ちょっとすっきりした気持ちになった。

2004年02月07日(土)  二人芝居『動物園物語』

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