■まわりで何かと話題の『スチームボーイ』を観る。製作費24億円とかで、とにかく絵の作りこみがすごかった。機関車や飛行船や潜水艦や戦車、出てくる乗り物はどれも眩暈がするほどディテールが描きこまれていて、とんでもないもの作ったなあと圧倒される。■わたしの目当てはスチームの力に魅入られたエンジニア、エドワード役の津嘉山正種さんの声。津嘉山さんとは先日、CMのナレーションのお仕事ではじめてご一緒し、その人柄とプロ魂にすっかり魅了されてしまった。こちらがOKを出しても「本当に今のでいいでしょうか。こういうのはどうでしょう」と別な引き出しを開けては、違った表現を見せてくれる。「読むだけじゃなくて魂込めないと、役者に(ナレーションを)発注した意味がありませんから」などと渋い声で言いながら。収録中も右手にはタバコをはさんだまま。その姿がさまになる。すべてが渋い人だった。最近は会う人ごとに「津嘉山さんってすごい役者さんですよね」と話しているのだが、「20年前にあの人の舞台の劇場中継の仕事やって以来、注目しています」とか「ケビン・コスナーの吹き替えの人ですよね」とか、ファンが多いことに気づく。宮崎あおいちゃんのマネージャーの小山さんに「CMの現場でタレントはどこまで踏み込んで発言できるんでしょう?」と相談されたとき、「タレントのわがままじゃなくて、作品のための提案だったら歓迎されると思う」と津嘉山さんの例を話したら、「つーさん大好きです!」という反応。ドラマ『ちょっと待って神様』であおいちゃんと体が入れ替わった泉ピン子さんのダンナさん役だったそう。あちらこちらでいろんな人の心をつかんでいる津嘉山さん、エドワード役にも聞き惚れた。
2002年08月18日(日) 24時間テレビ