■友人や知人の舞台や個展を観に行くのが好きなのは、彼らの発信しているものに触れて、刺激や元気をもらえるから。今日は、スペースユイにて、イラストレーター島袋千栄(写真の美しい人)さんの個展。わたしが脚本を書いた日本冷凍食品協会のビデオ『冷凍の国の不思議』のイラストレーターとして知り合ったのだが、器用な人で、「これが同じ人の作品?」というぐらい作風はバラエティに富んでいる。お話作りも得意で、前回の個展では「絵じゃなくて文章のお仕事が来ちゃったんです」と言う。今回は、「友達を探しに行くのが仕事の王様」が主人公のお話を絵本仕立てで展示。「赤い砂漠だと思ったら、そこは亀の背中」で、「亀は地球を蹴って回すのが仕事」なんて発想が楽しい。「ありがとう」と「ごめんなさい」を素直に言える王様のキャラクターも愛せる。こういうお話を考える島袋さんは、淋しがりやで、繊細で、その分やさしい人なんだろうなと思う。「絵本出さないんですか」と聞くと、「なかなか声がかからなくて」と島袋さん。絵本コンクールで入賞すれば出版の道が拓けるのでは? だったらもう少し文章は短くして、絵を増やして……と一緒に観に行った藤本さんをまじえてアイデア出し。藤本さんは冷凍食品協会の仕事で組んでいたデザイナーで、イラストレーターにはいつもアンテナを張っている。藤本さんとわたしで「もっと島袋さんを売り込もう」と盛り上がっていたら、「ほめられるの、慣れてなくて」と島袋さんは照れっぱなし。イラストが不採用になると、「才能がないのかな」と落ち込んで、描く気がなくなるんですと言う。その気持ち、わかるわかる。わたしもです。でも島袋さんの作品はほんとにステキですよ、とお世辞でなくて心から。いつかまたお仕事しましょう。その前に何か一緒に作品作ります? じゃあわたしの書いた童話送るので、絵をつけてもらえます? などと計画。今日も刺激と元気をもらった。