12:30、実行委員長の藤原さん(映画祭の藤原さんとは親子じゃありません、とキッパリ)の挨拶で西中映画祭が開幕。まずは秋田弁講座から。入門編の「おちゃっこ」は「お茶」。これはカンタン。ちなみに校長室で「この辺では何でも『こ』をつけるんですよ。美人ことか」と話題になったとき「みじんこみたいですね」と言ったら、「今井さんはそっちのほうが近いな」と前田監督。あいかわらず冴えていた。「ねまる」は「座る」、「ごっつぉ」は「ごちそう」、「がっこ」は「漬け物」。回答者用マイクを持っていた鈴木君はヒントを即興で演じてくれた。アドリブのきく彼は将来大物になる予感あり。
場も和んだところでパネルディスカッション。最初はあらかじめ用意してあった質問を順番に聞いていたのが、少しずつ緊張がほぐれてくると、その場で思いついた質問を投げてくれるようになった。質問に答えていると、思いがけない言葉が口から飛び出して、自分で自分を再発見することがある。「女優になりたいと思ったこともあった」ことを言ってから思い出した。「身の程を知れ!」と前田監督に突っ込まれたけど、お芝居を観るのが好きで、いつか舞台に立ちたいと夢見たこともあったのだった。そのうち自分の書いた芝居で役を作ってやるぞ。
10分休憩をはさんでパコダテ人上映。中学生は静かに見入っていた。泣いている子もけっこういた。上映後、再びパネルディスカッション。「しっぽはどうやって動かしているんですか」「いくらお金がかかりましたか」「あの後パコダテ人のしっぽはどうなったんですか」「衣裳は誰が作ったんですか」などと作品についての質問が続いてうれしかった。「こんなあたたかい部屋で映画を見ると普段は寝てしまうんですが…」と言う女の子にびっくり。タイツを2枚重ねしても体育館の床から冷気が昇ってきて、「これだけ寒いと寝られないなあ」と思っていたのに。「恋人はいますか」「スタイルを保つ秘訣は何ですか(←一沙ちゃんに)」などと質問も打ち解けてきて、いい感じ。全員の感想を聞きたくてマイクを回したら、遠慮しあってぐるぐるたらい回しに。シャイなんだなあ。発言は男の子のほうが活発だった。前田監督は「恋をしよう」としきりに言っていた。何だってできる十代、いろんなものに恋をして、いつもときめいていてほしいな。
最後に全校生徒が『マイバラード』を熱唱。150人からの歌の贈り物は照れくさかったけど、心のこもった歌にじーんとなる。思いっきり音が外れているんだけど声は人一倍大きな男の子がいて微笑ましかった。記念撮影が終わると5時前になっていた。質問タイムでは恥ずかしがっていた女の子たち、生徒手帳を持って「サインしてください」と校長室に続々やってきた。みんな色白でほんとにかわいい子が多い。秋田美人の噂は本当だった。「男の子がみんな若狭(秋田出身の大蔵省君)に見える」と一沙ちゃん。