■お昼休み、『風の絨毯』プロデューサーの山下貴裕さんに『ねらわれた学園』などを手がけた映画監督の清水厚さんを紹介していただく。山下さんと清水さんは虎牙光揮君が出演している『武勇伝』(3月22日より新宿東映パラス2にて公開・他全国順次ロードショー)という新作で知り合ったそうで、前々から「紹介したい人がいるんです」と言われていた。三人でイタリアンを食べながら映画の話。清水さんは角川スニーカー文庫から出る前の単行本の『アクアリウムの夜』を読んでいた希少な読者の一人とわかる。『夢のチョコレート工場』が好きで本も持っていたという共通項も発見。他にもいくつか重なる映画や本があり、話が尽きなかった。映画監督になったきっかけを聞いたら、「監督になりたいと思って上京したら、なれました」と、探していたお店がありました、のような口調。話しぶりは穏やかで、人の作品のいいところは素直にほめる人だった。パコダテ人で知り合った宮崎あおいちゃんのマネージャー小山理子さんの紹介で山下さんと偶然ランチを同席したことが『風の絨毯』に関わるきっかけとなったのだけど、清水さんとの縁が次の作品につながるかもしれない。人と人のつながりが仕事を運んでくるんだなあとしみじみ思う。■午後は去年10月31日の日記に登場したノム君の紹介で、ラジオCMの企画・コピー・演出を一人でこなすという中島博孝さんが会社に売り込みに来る。ノム君が前の会社にいたときのインドネシア支店で一緒だったとのことで、ノム君に負けず劣らず第一印象から濃い人だった。「日本人に見られなかったでしょう?」と言うと、「でもノムはもっとすごくて、インドネシア人のフリして日本人観光客をナンパしてましたけどね」。間に共通の知人がいると、一気に場は和む。中島さんはインドネシア勤務時代は現地邦人企業のラジオCMを手がけていたとか。「インドネシア語に訳すのでわかってるようなわかってないようなだったんですけどね。ジャランジャランとか言ってるのを聞いてオッケー出してました」と笑うこの人、作るラジオCMも面白いけど話もむちゃくちゃ面白かった。週刊プレイボーイのもしもシリーズ(「もしも雪だるまになったらどうする?」「もしも総理大臣になったらどうする?」と男の子二人が他愛もない会話をくりひろげる)や今となっては懐かしい東京テレメッセージのポケベルCMなどの作品をラジカセで紹介してもらいつつ、話が弾んだ。「すぐに制作を依頼というわけにいかないでしょうけど、ちょっと離れた席 にいる同僚みたいな感覚で、気軽に声をかけてもらえたらうれしい」と中島さん。こういう言葉も気がきいている。■最近会社の仕事がバタバタしていて時間に追いたてられているような毎日なのだけど、その合間に舞い込む楽しい出会いがスパイスになっている。スパイスといえば、この冬凝っているのがショウガ。コンソメスープに丸ごと入れる(皮をむく手間が省けて手軽)と味と香りがしみ出して、体の芯からあったまるおいしさに。サブウェイの根菜スープ(期間限定)がお手本。
2002年01月29日(火) 年輪