■ヰタ・マキ公演『戦場がメリークリスマス』を見る。ヰタ・マキことヰタ・マキニカソスという演劇ユニットがあることを今まで知らなかったので、公演を見るのもはじめてだった。知らせてくれたのは出演者の宮村陽子(写真)。大学時代にライバル校のチアリーダーだった彼女は、西宮球場や宝が池競技場でも光っていて、注目と憧れを集めていた。華やかなイメージからわたしが一方的に『キャロル』と呼ぶ彼女は、チアリーダーの指導員を経て舞台女優の道に進んだ。天職だ。劇団MOTHERを経て現在はフリーとして活躍する彼女は、あちこちの劇団の公演に客演している。キャロルの芝居を見るたび、いい刺激とパワーをもらっているのだが、今回の客演ではちょっぴりセクシーな一面も披露してくれ、このままでは置いてけぼりを食らう一方だ!と危機感さえ抱かせるほど素敵だった。ピタピタミニのチューブドレスをまとって踊る姿は、ボディラインもダンスのキレも現役時代のまま、いやむしろ磨きがかかっていると言っていいくらい。見られている張り合いが彼女自身のハリになっているように見える。肩も太股もしばらく出してないなあとわが身を振り返り、落差に驚愕。かぶれてる場合とちゃうで。■ヰタ・マキ、かなり面白かった。歌ありダンスありギャグありでわたし好み。いいお芝居に当たると、トクしたみたいで気分がいい。役者さんは達者だし、台詞はよく練られているし、話の転がり方が意表を突いていて最後までドキドキし通しだったのだけど……惜しまれるのはラスト。ちょっと物足りなかった。もうひとひねりで化けそうなんだけど。