昨日、キンダーフィルムフェスティバルの上映を見に来てくれた秋元紀子さんが「風邪には足浴がおすすめ」と教えてくれ、わが家に「足浴マシン」があることを思い出した。職場の健康保険組合の何十周年記念とやらで「もれなくもらえる健康グッズ」の5種類から選んだのが、それだった。他には金魚運動マシンやステップマシンや体脂肪計があったが、ちょうどリフレクソロジー(英国式足裏健康法)が流行っていた頃だったので、足浴マシンに飛びついた。
だが、巨大な箱が届いた日、悲劇が襲う。頑丈なビニールテープを無理やり剥がそうとしたら、親指の爪が割れ、飛んでしまったのだ。「アヂー!」とのけぞったわたしは、「何が健康グッズだあ!」と箱に体当たりし、以来、部屋の隅に追いやってしまっていた。一方的なお仕置期間を終え、今日、足浴マシンを箱から取り出した。冷静に考えれば、爪でビニールを切ろうというのが間違いで、ハサミを使えばよかったのである。先日も、オクラの袋を乱暴に開けたおかげで、うどんにホチキスの針が入ってしまい、「この妻、殺す気か!事件」を起こしたばかり。ハサミを取りに行く手間を惜しんではならない。何事も急いては事をし損じる。
さて、足浴マシンの使い心地。「温浴」「バブル」「温浴;+バブル」とモードを切り換えられ、なかなか極楽。足ツボ刺激用のローラーやかかとを柔らかくする軽石もついている。それより何より、足だけ水(実際にはお湯)にひたす感覚というのが、うれしいのだ。こうしてワープロに向かっているとき、足は水の中でふわふわ遊んでいる。この重力から開放された感じが、不思議で楽しい。すっかり長湯になって、足がふやけてしまった。風邪には逆効果だったかも。