■ひさしぶりにお芝居をハシゴする。昼は、下北沢の駅前劇場でIOH(アイオー)の『寝ても覚めても』。誘ってくれた元同僚デザイナーのアサミちゃんは、コンクール応募時代のわたしのシナリオを「お芝居好きの目」で読み、的確なアドバイスをくれた御意見番。彼女のような友人を持つことが、プロへの近道かもしれない。アサミちゃんのダンナ、CF制作プロデューサーの山下さん、同僚のフセさんも加わって、5人で鑑賞。5年ほど前にIOHという劇団を教えてくれたのもアサミちゃんだった。彼女がチラシを作ったときは、わたしがキャッチコピーをつけた。IOHの公演を見るのは今回が3度目。家族をテーマに「問題を乗り越えて絆が強まる」展開が持ち味で、毎回、気持ちよく泣かせてくれる。今回はいつもよりコメディー色が強く、謎解きも入っていたが、最後はやはり「家族っていいな」の涙と笑顔だった。役者さんが皆達者なので安心して物語に入っていける。■夜は、新宿のシアターブラッツで、ヤニーズの『命』。『パコダテ人』でみちる姉ちゃん役だった松田一沙ちゃんの初舞台。函館スクープ社員役だった大蔵省君が制作・出演している。『パコダテ人』で頑張ってくれた感謝の気持ちを込めて、一沙ちゃんにはオレンジの、大蔵省君にはブルーの花束を贈った。お芝居の後、近くの中華屋へ。『パコダテ人』の前田監督、アシスタントプロデューサーの石田さん、木下ほうかさん、宮川宏司君に、『sWinG maN』つながりの小島可奈子さん、『はじめての白さ』(宮川君と大蔵省君が出演し、前田さんが監修)を撮影した松本さん(あるいは松下さん)も加わって、にぎやかに円卓を囲む。そこに後片付けを終えた一沙ちゃんと大蔵省君が合流。「どうでしたか?」と聞く二人に、「ストーリーの目のつけどころはいいけど、テンポが良くない」「後半は面白いけど、前半がたるい」「暗転が多くて長い。せっかくつかんだ観客が現実に引き戻される」「あのシーンは手紙にしたほうが良かった」などと口々に感想を言う。ほめるところは誉めた上で「こうしたらもっと良くなる」とアドバイスするのだが、大学の応援団時代を思い出して、青春だなあと思った。真剣に耳を傾ける大蔵省君や「明日の公演までに直せるところあるかな」と一生懸命考える一沙ちゃん。彼等はまだまだ伸びるぞ。
2000年07月13日(木) 10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)