度々旅
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ゆっくり空と風を堪能した日だった。ご近所を歩きながら、美容院で3時間待ちながら、部屋から。部屋からは富士山が見えた。そういや、ずいぶん前に、おお富士山が見えるよ!と朝大騒ぎした時以来長いこと忘れてた。空が澄んでいると、窓から、ベランダから富士山が見えるのだった。なぜだかわからないけれど、遠くに山を見つけてハっとするのは朝だと思ってたが、今日気づいたのは夕方だった。 昨日、院時代のお仲間と食事。銀座で食事。先に着いて和光の前で立っている2人は紛れもなくOLとサラリーマンだった。あたしだけ「戻ってるよ!」って感じだった。そういや、昨年の梅雨時、3人で食事をして、3人の職場がうまい具合に三角形に位置しており、その中心の銀座でこれからは時々仕事帰りにご飯を食べよう!と言っていた。でも、昨日会ったのはそれ以来だ。 今の仕事のこと、あたしのこれからのこと、昼の過ごし方などなど話し、だんだんあたしも社会復帰の気持ちが固まってきたのであった。というか、ここまで自由に過ごしていると(お金以外で)、実際のところ飽きてくる。義務ってものは必要なんだなと思い始めたここ数日。インドから帰ってきて全く就活をしていなかったってことでもないけれど、どこか他人ごとで、面接受けてても、なんでここにいるのさあたしっていう感覚もあり。ここで働くなんて、実際のところイメージできないよなんて思ってた。とりあえず、格好だけ活動しているフリして、自分の中にある焦りをごまかしていたのさ。この1ヶ月実際に充実していた時間って、もらった仕事を家でこなしていた1週間くらいの期間だろう。 2人とも、未だもう1人の自分が後ろにいて、「今のってOLっぽい」「オレが客の対応???サラリーマンじゃん」そんな気持ちが常にあるという。OLである私、スーツを着ているオレを楽しんでいるそう言ってた。そして、時々、いいのか?ま、いいっかと思うと。 あたしの場合、実際のところそういう楽しみ方ができなくて、どこかずれている自分と自分の間でバランスを崩してた。それがまあ、あたしの弱さであり、あたしの未熟さであり、あたしなのである。 でもでも、同じ土で育った2人がその養分を拠り所にしたままというか、土に根っこを残したまんまみたいなそういう感覚がとてもよくわかって、同じで、なんとも言えない気持ちになった。ふわっとしたよい気持ち。 昨日はそのほかにも、旅先で知り合った人からメールが来たりして、それもどこか同じようにふわっとしたよい気持ちになる内容で、ああ、そろそろかなと思った。 そんなうまく表現できない、ふわっとしたモノに押され、働くにはある程度の欲も必要だという気持ちもあり、ふと髪を切りたくなった。3ヶ月程前、髪の毛をなんとかしたくて美容院に行ったものの、いつもみたく、あーだこーだ注文を言えなくて、中途半端なところで、もういいやと帰ってきてしまっていた。今日、こうしたいとオーダーできたとき、そのオーダーが欲なのかはわからんが、とにかく「こうしたいのである」という欲求を持てたことがうれしかった。 というわけで、切った髪に吹き付ける風がとっても気持ちよい今。そろそろ歩くのであります。そんなあたしが今日美容院で言ったのは、「外人みたく」というオーダーなのでありました。いつもどおり、適当なあたしの注文を適当にこなしてくれた変人美容師さん、ありがとう。
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