雑踏を極める街、渋谷。 通りを歩けば、車から吐き出される排ガスが熱い。 ビルの空調機から吹いてくる風も熱い。
熱風があちこちから吹いてきて、呪わしいほど不快だ。
暑過ぎて何も考えられなかった。
何も考えられないのに 考えるフリをして用事をすませる。
「それで、答えは何だったんですか?」
「何のです?」
「これから何をして生きてゆくかって答えですよ」
「あぁ。あの話ですか」
以前に何気に話したことを、この人は覚えていた。 よく当たるという占い師に、占ってもらうという話。
「先生も知りたいですか?」
「知りたいですねぇ〜」
「そうですか・・・」
「期待するほどのことは言われませんでしたよ?」
「で、何て言われたんですか?」
とても興味ありげに訊く先生。
たわいもない答えだったので、もったいぶらずに答える。
「・・・このままでいなさい、と言われましたが?」
わたしの答えに、納得したように先生が何度も頷く。 誰も彼も同じコトを言ってくれるのはうれしいけれど・・・
それにしても、、、
バカバカしいほど無意味な午後だ。
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