最近ふと思い出した昔の事.
私が小学校低学年の頃 我が家には検閲・焚書制度があった. 対象図書は我々姉妹が親に無断で入手した漫画. 検閲官は母. 彼女は全く容赦が無かった. 当時,自力で本を買う財力と手段を持たなかった私はともかく (生家の半径6km以内に書店は無く,当時お小遣いは受給されていない) 小金とそれなりの行動力を以って苦労して漫画を買っていた姉は しばしば粉々になった本を前に泣いていた.
しかし子供を泣かせるのはエネルギーの要ることであっただろう. 母がそこまでして「まっとうな本」を読ませるべく勤めていたというのに ときにお天道様に顔向けできないような本を読むような娘に育ってしまい 申し訳ないと近頃思う.ちょっとだけ. (ちなみにその昔,友人から借りた『富士見2丁目交響楽団』シリーズは,ばっちり母に読まれてしまった.迂闊.)
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