HERE, NOT SOMEWHERE...Hiroyuki Morikawa

 

 

『想像すること』 - 2004年02月17日(火)

「なまぬるい」雰囲気が、
気持ち良いと感じることも時々ならあるかもしれないけど、
今の世の中全体のなまぬるさは、いかがなものでしょう?

無意識にテレビを見ていて感じる、街を歩いていて感じる、
電車に乗っていて感じる・・・、この感覚。

でも、だからといってこの場所から逃げ出したいとか、自分は自分だからとか、そんな軽蔑するようなことは、決してしないわけでして。

というのも、僕は、人間という生き物それ自身は決してダメダメなものなんかではなくて、どこかに必ず可能性があるというか、なにか素晴らしいものを持っているのでは?という思いが昔からあるのです。

その感覚というものは、僕が小さかった頃から変わらずに持っているものなのかもしれません。

『想像すること』、このことの大切さを最近強く感じるようになりました。
きっかけはなんだったのだろう?
とにかく今の世の中が少しでもよくならないものかなぁ、色々な場所で起きている悲しい出来事を少しでも減らすことができないかなぁ、etc・・・、そんなことを考えている時だったと思います。

今のような社会の退屈な毎日では、心が麻痺してしまうことも多くあると思うけど、『想像すること』を決して忘れてしまってはいけないと思います。むしろこういう時だからこそ、というように思います。

僕たちの曲で「seek」という曲があるのですが、その歌詞で表現したかったことと、今、書いていることが、どこかつながるような気もしています。

この曲の歌詞は、「本当に大切なものって、目に見えるのかなぁ」という思いから、

「目に見えるものだけを信じていて君はいったいどこにいるのですか?」

というフレーズにたどりついたのですが・・・、
なんとなくつながってきますよね。

目に見えるもの(例えば、簡単に数字に置き換えられてグラフ化できてしまうものなど)ではなくて、目に見えないものを見ようとするには、(いや、この場合「感じる」という表現になるかもしれないけど)、どうすれば良いのか、
そう、それこそが、『想像すること』だと思うのです。

僕は音楽が大好きですが、その大きな理由として、よい音楽を聴くと、
感動して、その感動からは僕の場合、想像力へとつながります。
難しい話ではなくて、自分が本当に感動した瞬間って、今まで見てきたことや考えていたことが、まるっきり素敵なものへと激変する時ってありますよね??
その感覚は人間にとって最も大切な部分であると思うし、そこからすべては始まっているようにも思います。

そして、そのようなことを僕は音楽を通して表現しようとしているのだと、
この文章を書きながら強く感じました。

人間はものすごーく醜い部分も持っているけど、
それと同じに、人間にしか持つことのできないとても素晴らしいものもあると思います。そこからは色々な可能性を感じることができます。

こういったことを音楽を通して表現するのは、とても大変なことだと思います。
ただ、演奏がうまくなればいいとか、そんなことだけではなくて、
ひとりの人間として、いかにして生きていくか、
そんな日常から得たものを、音で表現していきたいと思っています。


ひさしぶりの長文voice、最後まで読んでくれた人、どうもありがとう☆



-



 

 

 

 

INDEX
past  will

 Home