2008年11月01日(土) |
さすがはNHK様。その1。 |
11/1から始まった『NHKアジアフィルムフェスティバル』で2日間で全作品観て参りました。1枚500円という超破格で、商業主義ではない良質の作品を上映する楽しみにしてるフェス。NHKってこういうイベントやったり、土曜ドラマとかもとっても素晴らしくてとってもいいなぁ〜と想います。受信料還元されてる感じ。
自分の体力も考えつつチケを取りまず1日目は3本。 中国映画『キネマの大地』(これだけ招待作品)政党の関係とか歴史とかをいまいち理解してないのでその辺りが難しい。中国人と日本人が両方出ていて中国語と日本語が入り混じっているのもいまいちよくわからない。何かすごく昔っぽい映画なんだけど若い監督が撮っているんだよねー。て訳で好みじゃなかったです。ティーチインで監督がほんとはこういう映画を撮りたい訳じゃないみたいなことを言ってたけど、師匠の前でそんなこと言っていいのか?(笑)
中国映画『追憶の切符』原題が「tickets車票」でそこにも意味が込められてるんですねー。『墨攻』を撮った監督だそうだけどその感じは全然無く、それより前に撮った『流星』(かな?)のテイストに近いそう。丁寧に丁寧に仕上げた感じが伝わってきてとても良かったし、ワンシーンワンシーンがとても印象的でした。ロープで川越えのシーンはドキドキしました。幼馴染み(v6岡田君似)と安易に恋愛に走らないのが更に良かった。主演の女優さんが完成作品をこの時に初めて観たとこだったらしく感激して舞い上がってたのが伝わってきてむちゃくちゃかわいかったんだけど、映画の中では鈴木一真に似てました。同時進行別ストーリーの自閉症の子を持つ父親にかなり泣かされました。父子愛はたまらんです。。。
NHKとの共同作品でイラク・クルディスタン地域の『僕たちのキッフオフ』が初日最後の上映でした。20:30からの上映になってしまったのは編集が間に合うかどうかわからなかった為、オ−プニング作品にできなかったからとのこと。実際、データを107に分けて送ってもらいこちらで全部くっつけて編集してっていう大変な作業があって、3日前位にやっと終わって無事上映に間に合ったという大変な苦労があったそうで、音楽なんかはもうちょっと詰めたいというようなことを仰ってたのだけど、何はともあれ世界初公開の場に立ち会えて幸せでした。製作にあたり、いろんな妨害にあったりして監督は命掛けで撮られたとのことをNHKの渡辺アナがしきりに言っていたのだけど、当の監督はあんまりそういうことは仰らずに、イラクは今でも戦争があるけどこういう状況なのは世界どこもそうで、日本も昔は戦争を体験していてその後にできた映画は素晴らしいものがいっぱいあって、こういう状況なのは自分達だけが特別じゃないのです、、、てな意味のことを仰ってたのが逆にすごくずしんと心に刺さりました。この映画自体も、家が無いクルド人達がスタジアムに仮住まいをしていて、そういう中で子供達の為に(そしてサッカーが大好きだった義足の弟の為に)サッカーの試合を催そうとする話なんだけど、この状況の中でもユーモアたっぷりの作品になってるのがほんとに凄いと想いました。大変だとか悲惨だとかそういうことをおもむろに観せられるのはとても辛いのでドキュメンタリー映画的なものはわりと苦手なのですがこの作品はそういう感じじゃないので余計にいろいろ考えさせられて、映画が終わった後なんだかほんとうに感動して胸がいっぱいでした。何というかすごい映画でした。スタジアムという楽しい場所と悲惨な状況のコントラストなんて発想自体が湧かないもん。映像的にも、監督は初めからモノクロでいきたいという考えがあって(実際の現場もほぼモノクロだそう)、NHK側はカラーでいきたいというのがあって、両方の考えからモノクロとカラーの間のほんとうにちょうどいい感じの不思議な色ができたそうで、それがこの映画にとても活きていて(リアルすぎない、その具合のちょうど良さ)ぴったり大成功な感じでした。感動が上映が終わってからじわじわ湧いてきて、監督のト−ク中に涙が溢れてきて困りました。考えさせられるすごくいい作品でした。普通に上映されてたらスルーしてたであろう作品を観ることができて嬉しかったので、いろんなところでいろんな人に観てもらえる様になるといいなぁと想いました。
とりあえず前半戦終了〜
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