くりくり♪

2008年03月09日(日) he died on the road...

さてさて。昨日は映画三昧の1日に。映画館3館ハシゴして4本鑑賞。夜中にTVで「シルミド」も観るつもりだったけど、内容が濃いものばかりだったからかさすがに疲れていつのまにか
渋谷イメージフォーラムで、朝9:30からの回に。「韓国アートフィルムショーケース」の初日だったので舞台挨拶がありました。『妻の愛人に会う』キムテシク監督と、主演のパククァンジョンさんと、『黒い土の少女』主演のユヨンミちゃんの3人。キムテシク監督は日本の映画学校で勉強されていたことがあるとのことで、日本語がお上手でした。朝なのに想ったより人が入ってたらしく驚いてました。
1本目『妻の愛人に会う』むちゃくちゃ面白かったー!!!妻の不倫相手(タクシーの運転手)に偶然を装って遠距離客として乗り込み、数日を一緒に過ごす...という愛のあるコメディ映画なんだけど、韓国では全然ウケなかったらしく大借金をかかえちゃったそう。だからって日本で大ヒットするかって言ったらたぶんそんなことはないんだろうけど(主役は冴えない親父だし)反韓流一直線だし。でもホント、すごく面白いんです。最後の方のモノクロシーン、主役のパククァンジョンさん(映像より実物は全然カッコイイーちょっと円広志似)と、チャラ男(「たまに行くならこんな店」の川野太郎に激似)の直接対決☆会話のシーンが最高。大量のスイカや鶏のトサカ、ハンコetc.小ネタが効いててすごく面白かった〜!エンドロールの主役の役名までstrongerに。オススメ
2本目。『黒い土の少女』廃れた炭坑が舞台で、父は職無しになり貧乏だし病気だし自暴自棄で酒に溺れ、兄は知的障害者、妹が子供ながらに奮闘するという感じに全面どっぷり暗かった。。。暗いの好きな私もさすがにこの救いようの無さにはたぢろぎました。映画くらい最後は救われたいタチなので。一面の雪景色、ドドーンと暗い空など、タルコフスキーを感じるなぁ〜と思ったら、監督が好きらしい。最後の最後で一瞬寝てしまい、気づいたらエンドロール。タルコフスキー恐るべし!(違〜←注:タルコフスキーは寝てナンボ)
3本目はユーロスペースに移動して『接吻』。初日舞台挨拶で仲村トオルさん、小池栄子さん、万田監督が登場。生仲村トオルだよー。スゲーかっこいいよーかっこよすぎるよーーー☆かっこいいのに面白いし毒を持ってて一筋縄ではいかない感じを醸し出してるとこ(妄想ですけど)が好きです。伊藤さとりさんが司会だったんだけど、2回目の上映の私達は1回目の客と違って上映前の舞台挨拶なのに質問が内容につっこみすぎだよー。なるべく意味なんてつけずにまっさらな状態で観たいのに。で、本編。殺人犯役のトヨエツがスゲー。冒頭からスゴいのでずっっと緊張しながら最後まで。むちゃくちゃ濃い映画でした。「unloved」から繋がるモチーフ「手」が今回もとても印象的。特にあの「手」のシーンからトヨエツ演じる坂口の中の変化を感じると共に、京子か、坂口か、長谷川(世間の常識的なものも含む)か、自分がどこの視点で観ていいのか、ぐらぐらと根幹を揺さぶられる感じが止まらなかった。衝撃の重要な最後のシーンの意味についてはいろんな解釈がありそう。自分が想ったことが正しい解釈かはわからないけど、私だったらこういう意味です、というものはあるので、京子の行動を理解できないとは言えないなぁ。坂口の「大丈夫?」が、やさしくてとても残酷。長谷川が最後の接見シーンの時まで全く疑わずに少しの望みを抱いてしまう気持ちは男と女の違いが出ててすごく興味深かった。全編に渡るきっちりしたセリフがとても印象的で、無駄な感じが無くてとても誠実な映画でした。小池栄子、仲村トオル、トヨエツ、篠田三郎、と役者もとても素晴らしかったし。ところで、万田監督って「unloved」と「接吻」の間に「ありがとう」という作品を撮ってたんですね...知らなかったー。主演が赤井英和ってとこがこわい。赤井といえば、カルトドラマ「ストーカー」のスゴすぎる演技しか印象にないです。赤井&万田夫婦(なぜか奥様はクレジットから外れてるらしいけれど)って想像できませんがぜひ観たいっす、わりと怖いもの観たさ的な。そういえば監督が、仲村トオルさんは最後のシーンがかっこいいって仰ってましたが、てか結局ずっとかっこよかったんですけどー!
ひとやすみしてる間にもう1本いっちゃおうかしらーと思い本日4本目。レイトショーで『ブロークバックマウンテン』を。ヒ−スレジャーの追悼で上映してくれたのが渋谷シネパレス。土曜日の夜なのに客が少なくて理想的な状況での鑑賞。内容もほぼ覚えてるんだけど、やっぱり何度観ても素晴らしいものは素晴らしい!空も演技してるんじゃないの?って程。同性愛というよりも人間愛。中でも特にわたしが一番好きなのは、ジャックが亡くなった後にイニスデルマーがジャックの実家を訪れるシーン。ことばは少ないけど母と父と親友のたくさんのほんとうの想いを感じられてとてもあたたかくて。ヒースレジャーもジェイクギレンホールもアンリー監督もスゴすぎるわ!最高時間が許せば上映中にまた観に行きたいなぁ。
天気がいいので洗濯日和
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