un capodoglio d'avorio
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2004年04月11日(日) G1桜花賞

3歳牝馬・定量・芝1600m・阪神11R、GI桜花賞。
ついに2004年度クラシックの幕開け。
特にことしのどかは、年明けからこの、
クラシック戦線へのトライアルレースを熱心に応援してきたから、
なおのこと、このハレの舞台がまぶしく見える。
きょうのこの日のゲートに入る18頭が決まるまでに、
どれほど熾烈なバトルが繰り広げられたことか。

例えれば夏の高校野球。
高校球児達は甲子園というハレの舞台でドラマを繰り広げるけれど、
そこにたどり着くまでにどれほどの涙が流されてきたことか。
地方予選から見てきたファンとそうでないファンとでは、
感じ方が変わってきそう、良い悪いじゃなくて。
これがきょうのどかが、関西G1のあのファンファーレを聴いただけで、
涙腺が潤んじゃった言い訳かしら、でも、泣ける。

阪神競馬場へ、初めて乗り込むどか、仁川は遠いよ。
イメージ的にはまだ、淀の京都競馬場のが、近いなあ。

阪神競馬場パドック

京都や府中よりもずっとモダーンな印象の建築。
パドックに半分かかる屋根の構造とか、吹き抜けの使い方とか、
なんとなくテーマパークっぽい。
しかし、ここは千葉のネズミーランドじゃないから、
客の年齢層は、ちょびっと(笑)高めかな。
しかしどんどん増えてくる来場者、
なんといってもクラシックだもんね、午後3時30分ごろには、
スタンドは立錐の余地無し、どかは1時間くらいけだるく立ちつくしつつ。
どかがいままで実際にライヴで観たことのあるクラシックは、
オークスとダービー。
同じ牝馬クラシックのオークスのスタンドと比べると、
ちょっと雰囲気は軽くてさんざめくざわめきって感じかな
(しかしゴール後、雰囲気は一変)。

どかの予想は掲示板にカキコしといたけど、
トウカイテイオー産駒の2歳女王・6番ヤマニンシュクル、
彼女の単勝と複勝を購入。
2歳女王なんだけどでも、4番人気。
理由は簡単、彼女を凌ぐインパクトを持つ馬が3頭いたから。
どかはその3頭のうち、9番ダンスインザムードも複勝で押さえる。

ヤマニンシュクル

ファンファーレが鳴り、いよいよ発走。
直後にどよめくスタンド、3番人気のムーヴオブサンデー鞍上アンカツが、
かかり気味に先行、2番手につけたから。
ムードは絶好の6番手あたりを馬なりに。
シュクルは10番手あたりから、ムードなどをマークしつつ。
でも向こう正面ですでに、ムードの気配が他と違いすぎた。
3角過ぎ、シュクルが少しかかってしまい、鞍上四位騎手が早めの仕掛け。
4角、ムードが絶好の気配で馬なりでムーヴに並びかける。

ああ、これはもう・・・。

その後の直線を待たず、もうスタンドは勝負の趨勢が決したことを悟る。
それくらい、ある種の波動、オーラがほとばしっていた。
2002年秋のファインモーションが発したあのオーラを、
この武豊が駆る牝馬は、持っていたのだ。
阪神のホームストレッチの短い直線は、まさに独壇場。
誰よりも早く直線に入った彼女は、
誰よりも速く直線を駆け抜けてゴール、桜花賞レコードだった。
しかも、あのスタンドにいた誰もが目撃した衝撃の事実とは、
「きょうのこのレースでも、彼女は本気で走っていなかった」ということだ。
ふわーっと浮かぶようなギャロップなのに、誰も追いつけない。
こんな美しくも残酷なシーンが、クラシックの舞台で上映されるとは。

・・・と、ゴール板まで1ハロンの位置のスタンドで観戦していたどかが、
半ばムードの圧倒的なパフォーマンスに呆けかけていたその刹那、
水色のマスクをかぶった鹿毛が視界に飛び込んできた。
大外を5番手からまくって来たヤマニンシュクルだった。
どか、もはや、身も世もなく絶叫。
「シュクルーッ!シュクルーッ!シュクルーッ!」
ほんっとに一生懸命、シュクルは走るんだよね。
重心がグーッと低くなって、諦めない気持ちの強さがギャロップににじむ。
4番手まで上がって、3番手はアンカツの無敗牝馬・ムーヴ!
差せるか、差せるか・・・、ほぼ、同着、写真判定となり、
1分後、ムーヴとシュクルのゴール板時の写真がオーロラビジョンに映し出され、
どよめくスタンド。
5cmだけ、シュクルが前に出ていた!

ぞろぞろ帰り始めるスタンドのファンは口々に、
「あれは強いよ」「ちょっと有り得ないね」「それにしても」
とダンスインザムードの華のすさまじさに茫然としていた。
拍手や歓声、興奮すら追いつけないほどの「速度」というものが、
この世にはあるのだとすれば、それはダンスインザムードだ。
でもどかは、ムードの単勝じゃなくて、
シュクルの単勝を勝った自分が誇らしかった。
呆けかけていたあの瞬間、どかが自分の感情に追いつけたのは、
最後まで諦めないシュクルの誠意のおかげだ。

ぼうっと呆けながらとんでもないスターの登場に戸惑うヒトの流れのなか、
どかは軽い疲労を感じつつとても充実した気持ちだった。

・・・そして、いまは実は、少し心配。
スティルにアドグル、そしてムード。
なんでこんなに牝馬にスターが次々現れるのだろう。
嬉しいんだけど・・・、大丈夫かな、ファイン。

うん・・・、きっと、大丈夫。


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