un capodoglio d'avorio
2004年01月12日(月) |
野島伸司「プライド」(第1話) |
別にどかは、期待していないよ・・・ と、あちこちに書き散らしてた気がするけど、でも。 キムタクはどかはどちらか言うと苦手な役者の部類だけど、でも。 竹内結子も、どかはいままでちゃんと見たことないからイメージ無いし、 坂口憲二もどちらか言うと、やっぱり好きくはないし、でも。
でもそれでも、野島サンの新作ドラマが毎週見られるかと思うと、 それはやっぱり、どかにとってはドキドキしてしまう幸せな気持ち。 うれしいな、うれしいよ。
・・・そいで、第1話なのだけれど。 感想は、つづめて言うと「ホッとした」ということになるのかな。 「数字」を狙いにいきます、と制作陣が宣言していただけあって、 かなり、軽くポップな展開、でもそれは予想されたこと。 どかはでも、そこかしこのディテールに、ピンと来ることができたから、 それはつまり野島エッセンスとでも言えるモノで。
一番分かりやすかったのは<古き良き時代の女>というフレーズ。 最初の、バーのシーンでキムタク演じるハルの口からこれを聴いて、 あっ・・・と思った、「来た来たっ」。 小説「ウサニ」にも登場したポイントのひとつ、 女性性の変遷というテーマに、重なってきたなあと。 それ以外にも<恋愛とゲーム>の相似なども、 それこそ去年の「高校教師」などで掘り下げられたテーマだし、 <寂しさと恋愛感情>というのも同じ「高校教師」で、 かなりの深化を見せたしね。
そりゃ、物足りないのは物足りない。 例えば時任三郎演じるコーチ・安西がアル中でずっと入院していて、 で、その妻・容子サンが孤独と不安に苛まれて、 他の男性の優しさにほだされてしまうというエピソード。 ハルは容子のことを<古き良き時代の女>と認識していたのに、 それが裏切られた気がして、責めてしまう。 「ワタシだって、オンナなの!」と容子が吐露するシーンは、 いつものシリアス野島ドラマならば、 こっからドーンと救いのない展開へと落としていく箇所だ。 しかし「プライド」では軽く流してしまう。 万事そんな感じで、野島エッセンスはそれなりに顕在化してるのだけれど、 そっからドーンと落とさず、 リズムとスピードとキムタクのキムタク演技で、サッとかわしてしまう。
でも、それでも、ちゃんと野島エッセンスはかすかだけど、 幾つか伏線として辛うじて張られているから、どかは嬉しかったのね。 うん、これからに期待。 きっと、カタルシスはいつもよりも随分薄くなってしまうのだろうけれど、 いいの、野島サンがドラマを書いてくれるっていうそれだけで、 もう、嬉しい。
さて、キムタク、どかはもうちょっと様子見かしら。 プロパーキムタクファンにはきっと、評判、芳しくないだろうと推察する。 タダでさえバタ臭い演技が、野島サンの言葉でさらに・・・。 でも、どかはキムタク演じるハルの役どころ、 もっともっと英雄的になっちゃうかもって思ってたところだったから、 割と、人間的に弱い部分を感じさせるくだりがあって、少し安心した。 そうじゃないと、野島エッセンスは、枯れちゃうから。 あと、ヒロイン・亜樹を演じる竹内結子サンについては・・・、 ちょっと、思うところがあるので、保留。
亜樹 いつ寂しいなんて言った 誰があなたに寂しいなんて言ったのよ そりゃそういう時もあったかもしれないけど そんなんで誰かを好きになったり、あたしはしない
・・・
ハル 寂しさなんて感じたことないよ 一度も
(野島伸司「プライド」第1話より)
それぞれ、別のシーンのセリフだけど。 亜樹は「寂しさ」を認めて、ハルは「寂しさ」を認めなかった。 きっと、これは、ハルのほうが苦しむことになる、予兆だ。
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