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2003年12月29日(月) 2003年極私的(いろいろ)ランキング

と、言うわけで歳末恒例(ヾ(- -;)ってかまだ二年目だけど)、今年一年のレビュー総まくり。2003年極私的ランキング第一弾。・・・去年のちょうど29日にアップしたランキングを見てたら、そうそう、携帯水没事件があったんだよね、懐かしい。あれから紆余曲折を経て、いまどかの携帯はauの infobar、しかも nishikigoiだもんな。それではサクサク行きます、映画から。ビデオで観たのは礼儀として除いて、ちゃんと映画館で観たヤツです。



映画ランキング(良かったあ、3つあった、ギリギリ)

第3位 ハリーポッターと秘密の部屋:☆☆(参照→2003年02月09日
たまにはこういうのも、いいなーと思った。でもやっぱお金を払ったり時間を費やして何かしらの経験をするのであれば、映画に限らず、ライヴでもCDでも、芝居でも、美術展でも、破壊力のある表現に接したいなと思うどか。でも、たまには、いいかな。一年に一回くらいは。

第2位 キルビル:☆☆☆☆(参照→2003年11月06日
そう、例えば「破壊力」とは、こういうこと。誤解が無いように言っておくと別に殺陣シーンや血しぶきがそうなのではなく、タランティーノの「捨て方の潔さ」がそうなのだ。モラルとかイデオロギーとか教育的配慮とか、そんな一切合切に拘泥しないこと。でも映像がアナーキーに陥らないのは、支配の座についた監督の磨き抜かれた「センス」の故だ。

第1位 ボーリングフォーコロンバイン:☆☆☆☆★(参照→2003年03月18日
キルビルと迷ったけど、やっぱり「破壊力」の面でもこっちのが上かな(制作費はこっちが数千分の一だろうけれど)。どかはつかこうへいに本当の「教養」とは何かを教えてもらったけど、マイケル・ムーアは本当の「知性」とは何かを教えてくれた。大切なのは、でも、これからだ。これからは、日本もムーアの攻撃の標的に上ってしまうのだろうだから。


ドラマランキング(・・・らぶ)

第3位 ケータイ刑事 銭形愛:☆☆☆★(参照→2003年10月14日
東京の部屋を引き払って大阪に帰ってきて、ショックだったことのひとつ。このドラマの再放送、関西の地上波では観られないこと。しょぼん。そりゃドラマとしての完成度は、いまいちクンだけどさ。あおいたん、らぶ。らぶ。らぶ。と、念じてたら気持ちって通じるのね、BS-iで再放送決定!これでまた会えるー♪

第2位 マンハッタンラブストーリー:☆☆☆☆★(参照→2003年10月17日・他)
クドカン脚本作品。いま振り返って思い出すのは、あのミッチー王子のフレーフレー応援ダンス。「101回目のプロポーズ」の江口洋介が武田鉄也に送ったエールと同じくらいかっこよかった。大人計画テイストがここまで濃密にお茶の間に流されたことがあっただろうか。同時に、小泉今日子のアイドルとしての底力を観た気がする。視聴率の振るわなかったこのどらま、将来絶対見直されるときが来る。多分時代を追い越しちゃったんだな。あの、センスにみんな、ついていけなかったんだわ。予言。

第1位 高校教師:☆☆☆☆☆(参照→2003年01月10日・他)
野島伸司脚本作品。どかの今年前半はこのドラマに支配されていた気がする。上戸彩はこのドラマを最後に輝きを失う(おっと)。でも、このドラマの雛役は良かった。実は、恋愛感情というものの有効性を微分し続け解体するというのが本質だったんじゃないかと思う。野島伸司の渾身のメッセージが織り込まれたために重厚で、難解なストーリーになった。そして大多数の視聴者はついていけず、視聴率は低調に。もうずぐ始まる高視聴率確実の野島作品「プライド」との比較は興味深いだろう。でもどかは「高校教師」が、好き。


ライヴランキング(今年はハイロウズだけじゃないから)

第3位 Syrup16g @ SHIBUYA-AX:☆☆☆☆(参照→2003年03月28日
このライブに行って、どかはシロップを絶対信用しようと決めた。演奏力の音圧とボーカルの声圧の強さにビックリ、CDのトラックからは伝わらない温度にジーン。いま思い出して一番印象的なのは、どかの隣にいた全然知らないショートカットの女の子が、ステージを凝視したまま流してた涙。

第1位 CHARA @ 赤坂BLITZ:☆☆☆☆☆(参照→2003年07月06日
同率1位とさせていただく。まず、CHARAサマ。声は予想通りの強い磁場を生む、魔力的な響き。予想を超えていたのは、バンドの演奏。いいスタッフを揃えてるなあとしみじみ、グルーブ感が凄かった。とくに「♪やさしい気持ち」はベストオブベスト。何がすごいって、「やさしい」のにすさまじく「破壊的」だったこと。然り・・・と思う。

第1位 ↑THE HIGH-LOWS↓@ 日比谷野外音楽堂:☆☆☆☆☆(参照→2003年07月05日
上記CHARAの前日に行ったライヴは、もちろんこの方々。夏の受験前、最後の気合いを入れるためにもどうしても行きたかった。いま思い出して一番印象的なのは、どかの隣にいた全然知らない背の高い女の子が、ステージのヒロトを観て泣きそうにクシャッと笑った横顔。どかがkey.の白井サンを観た最後のステージともなった。白井サンが抜けた後のハイロウズに会うのが少し、怖いどか。とにかくこのライヴは、全ての地球上の時間を止めてしまった7曲目につきる。


CDランキング(・・・)

第3位 レミオロメン「朝顔」:☆☆(参照→2003年12月22日
不当にも☆は2つに留めてやる、ひひ。これを聴いた後でシロップに行ったときの、その凹みようったら、もう。天国と地獄。一度、ライヴに行ってみたいな、でも、そろそろチケット獲るの大変そう。あいかわらず悔しがってるどか。

第2位 RADIOHEAD「Hail to the Thief」:☆☆☆★(レビュー未収録)
待ちに待ったレディヘのニューアルバム。最初どかは微妙な嫌悪感があった。ジャズのスイングっぽい揺らぎがやだったの。ロックのグルーブじゃなくてスイングっぽいところ。でも半年後のこの年末、なぜかどかの iPodクンのヘビーローテーション入り。スイングしててもトム・ヨークの目は血走ってる。なんかそれが見えてきたからかな。来春の来日ライヴ、チケは押さえたけど行けるかしら?

第1位 Syrup16g「HELL-SEE」:☆☆☆☆★(参照→2003年03月29日
初めは目立たなかったけど、実は凄いアルバムだった。それまでの二枚のアルバムから比べるとちょっと穏やかに、ちょっと聴きやすくなってるんだけど、聴き込むほどにその奥に隠された悪意に痺れていく。捨て曲ナシの15曲。しかもこれで¥1,500-!この破格の値段設定にも、死ぬほど悪意を感じるのはどかだけだろうか(何への悪意?もちろん CCCDの裏に隠れている連中へ、でしょ)。自虐的に美しく、かつナルシシズムに堕ちない奇跡のバランス。


マンガランキング(恐るべきハイレベル)

第3位 松本大洋「ナンバー吾」:☆☆☆☆☆(参照→2003年04月10日・他)
鬼才・大洋の現・連載作。2003年は3巻と4巻が刊行。もはや「ナウシカ越え」は確実、その先のどこまでを射程に収めているのか、余人には計り知れないことの恐怖。難を言えば体調が悪いときに読んでいると、あまりに強く洗練された筆致構成に、ひれ伏してしまいそうになることくらい。1位になれないのは単純な巡り合わせ。

第2位 岡崎京子「ヘルタースケルター」:☆☆☆☆☆(参照→2003年07月25日
いま世に氾濫してる女流「おしゃれ」マンガ家のほとんどが、彼女のフォロワーでしかないことを鮮やかに描き出す96年作の伝説の作品、初の単行本化。何が素晴らしいって岡崎京子がこれを描きながら、ちゃんとまっとうに作品の中で戦っていることである。彼女ほどの才能がありながら、ちゃんと戦っている。フロンティアに立ちつくし、才能でかわすことも可能な弾幕に、身をさらしている。未読ならば「読みなさい」それだけ。読んで、寝込んで、その後回復したら見える景色はきっと変わっている。

第1位 岡崎京子「うたかたの日々」:☆☆☆☆☆(参照→2003年08月02日
上記に同じ・・・。昔、大学の寮にいたころ、先輩に「どかは岡崎京子のマンガに出てくる人物に似ている、ルックスも性格も」と言われた。これを読んでいて、それを思い出して、一瞬嬉しかったけどそのあと激しく落ち込んだ。落ち込むけど、でも・・・。岡崎さんはいまもリハビリ中、必死に生きる力を振り絞っている。どかも、ちゃんと、がんばらなくちゃだ。「ヘルタースケルター」は万人に薦めたい、「うたかたの日々」はどかの大切な人にだけ、薦めたい。なんでだかわかんないけど。


競馬ランキング(馬券を獲ったレースではなく、感動したレース)

第3位 有馬記念:☆☆☆☆(参照→2003年12月27日
「オトシマエ」というのはこういうことを言うのだろう。JCでの9馬身着差負けをそのままきっちり返す9馬身差勝ち。怪我で引退しちゃったけどどかの一番最初のヒーローだったタニノギムレットの最大のライバルであり、そしてどかの現ヒロインのファインモーションから年度代表馬の座を奪ったシンボリクリスエスの引退レース。歴史に残りそうな劇的なフィナーレ。

第2位 日本ダービー:☆☆☆☆(参照→2003年06月01日
実際にスタンドに行ったレース。14万人の観衆による、地鳴りのような、勝利ジョッキー「ミルコ」コール。イタリアから来た若き天才ミルコ・デムーロはそのコールに包まれた馬上で、人目をはばからず涙した。ダービーはやっぱり特別、あの雰囲気はたまらない。いつかイタリアに留学に行ったら、彼地で競馬場に行って、ミルコの馬券、買おう、絶対。

第1位 秋華賞:☆☆☆☆☆(参照→2003年10月19日
メジロラモーヌ以来17年ぶりの大記録、スティルインラブ牝馬3冠達成!どかはこの京都のレース、府中で観戦。この日の府中のメインレース「府中牝馬S」のスマイルトゥモローの大逃げも度肝を抜かれたけど。でも、馬券をとれた人もとれなかった人も、オーロラビジョンに映るスティルのヴィクトリーランに、笑顔で拍手を送っていたのが、すごいすごい、気持ちよかった。安心して、なんだか泣けた。どかはこの3冠馬券、かっちり獲ったし、言うことのない一日だった。何せ17年ぶりの記録、将来、ずっと自慢してやろう「オレはあの馬券を獲ったんだー」って。いひ。



ま、こんな感じ。芝居のランキングは明日、やります。終わってみれば、充実したラインナップだったなーと実感。来年はそんなにたくさん観られないだろうし、1年後のランキングもちょっぴり寂しくなってそうな予感。今年はどか自身もいろいろ大変で、そんな中、大切にしなくちゃだと思っていた物や事を妥協せずに大切にできたのは、胸を張って言えることで。かつ、一応それなりの結果も残せたので、良しとしよう(うん)。


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