un capodoglio d'avorio
2003年12月11日(木) |
マンハッタンラブストーリー(〜第10話) |
にしても、これは大傑作だ。 DVD、発売されたら買っちゃうかも、 (先立つものは無いんだけど)。 と、言うくらい、このドラマは面白い。
最近テレビのドラマでは、演劇系の人材がひっぱりだこだ。 これまでのように適当にアイドルを連れてきて、 それで「惚れたはれた」やらしとけば視聴率が取れた時代は終わった。 と、いうことをようやく業界の方々も気づいたらしい、遅いけどね。 で、目をつけたのが小劇場系の劇団。 次々、これまでブラウン管とは無縁だった若手の、 でも、独特な味を持ってる人材がテレビ局に吸い上げられてきた (「トリビアの泉」の2人もそもそも演劇畑だし)。
その小劇場ブーム@テレビ業界の、頂点に立っているのが、 やはり、宮藤官九郎と大人計画だろう。 これまで宮藤ドラマはIWGPや木更津キャッツアイなど、 数々のヒットを飛ばしてきたけれども、 今回は、その彼の脚本を大人計画主宰の松尾スズキを始め、 彼が所属する劇団の役者達がほぼオールキャストで脇を固める快挙。
大人計画独特のあの軽妙な、常識を外してセンスを外さない勢いに押されて、 主演のTOKIO松岡クン、KYON2、森下愛子、ミッチーらも、 いつもと違うテンションに入ってて、ギャグがことごとく決まる。 特にミッチーはいつもからテンション高いけれど、 彼一流の王子様テンションと、大人計画ダメダメテンションとで、 妙な化学反応を起こしてて、それがまた計算できない揺らぎを生んでて、 これを計算してやってるとすれば、もう脱帽だなーと思う。 そしてもちろん一番大きいのは、クドカン独特の、 テンポのいいセリフの掛け合いだけなんだけど。
テーマは結局、何でもないことで。 恋愛とか好きなこととか、なんでもひと筋でやっていきたいんだけど。 で、ひと筋でやってる自分がちょっと好きで、酔っていたいんだけど。 でも、なかなかそれは上手くいかなくて。 些細なことや些末なことが、だんだん自分の世界に入り込んできて。 で、周囲に流されて流されて、どんどんぐちゃぐちゃぶーになるうちに、 「あれ?私、誰のこと好きだったんだっけ」ってなっちゃうくらい、 流されて、で、流される自分に嫌悪感、感じちゃったり。 でもでも、流されたり、いろんなことしょいこんだりするのなんか、 当たり前の当たり前。 そのときどきで、あっちむいたりこっちむいたり、 一生懸命どたばたあくせくしてるほうが、いいじゃんむしろ? ひとりで自分の世界守って、それで近所迷惑かけるよりもさ。 カッコヨくひとりでみんなに迷惑かけるより、 カッコワルくみんなから迷惑かけてかけられて泣いて笑おうよん。
と、どか風にテーマを考えると、きっと、こんな感じ。 予定調和を何より疎み、近所迷惑な理想を鼻で笑って、 クドカンはきっとそんなところに立っている。 その立っている場所は、きっと、この荒みきった世界情勢に対して、 最も効果的にオブジェクション可能なピンポイントなのだけれど、 彼はそのピンポイントに立って、恋愛ドタバタコメディを作ってみせる。
タランティーノ並みの割り切り方。 タランティーノ並みの遊び心。 そしてタランティーノを超えた愛嬌あるストーリー。 どかはどっちかというと、 野島伸司のストレートに重たいドラマが大好きなのだけれど、 ここまで上質でセンスフルなドラマをキョヒる勇気は、無い。
今クール、木曜10時の2つのドラマ。 CX系「白い巨塔」とTBS系「マンハッタン」。 どちらを選んだかで、人生、変わってきそう。 でもきっと「マンハッタン」を選んだ人はみんな、 後悔はみじんもしてないだろうな。
次は最終回。 KYON2演じるタクシー運転手、 赤羽信子がもう、かあいいんだあ。 きっと、みんなが想像するようなハッピーエンドじゃないんだろうけど、 でも、どんな結論でもかかってきなさいよーって、 そのくらい、開きなおさせるほどに、 これまでの展開は素晴らしかった。
てへっ♪(赤羽信子風に)
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